項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 世界最大劇症型心筋炎レジストリを用いた長期疫学調査及び予後予測モデルの開発 | |
研究代表者名 | 斎藤能彦 | |
研究代表者の所属機関名 | 奈良県立医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 拡張型心筋症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 心筋炎は、感染等を契機として、心筋に炎症をきたす疾患であり、症状が軽いものから血行動態の破綻をきたすものまで幅広い重症度を含む疾患です。劇症型心筋炎は、「血行動態の破綻を急激に来たし、致死的経過をとる急性心筋炎」と定義され、心筋炎の中でも予後が不良で、稀な疾患とされています。劇症型心筋炎は希少な疾患で、症例集積が困難であることから、これまでのところ、患者の特徴や予後に関する大規模な報告は乏しいのが現状です。また、激症型心筋炎の一部が将来的に拡張型心筋症様の臨床症状を呈することが示唆されておりますが、詳細は現在でも不明です。 本研究では、劇症型心筋炎患者を対象として悉皆性の高い大規模レジストリを構築し、疫学や予後関連因子について明らかにすることを目的としました。本疾患登録では、まず、日本循環器学会が主導している、日本全国の循環器診療を対象とした大規模データベースである、循環器疾患診療実態調査 (The Japanese Registry Of All cardiac and vascular Disease: JROAD)を使用し、日本全国の循環器専門医研修施設・研修関連施設の中で、劇症型心筋炎患者が入院した施設を抽出しました。劇症型心筋炎の定義は、昇圧剤・機械的補助循環を要した心筋炎としました。患者が入院した施設に対して、症例別の診療情報の収集を依頼し、倫理委員会での承認後、各施設からカルテ情報及びDPC(診断群分類別包括評価)情報を収集することで世界最大のレジストリの構築に成功しました。 協力が得られた235施設から、344症例の病理学的に診断された劇症型心筋炎が登録、解析対象となりました。患者の年齢の中央値は54歳、40%が女性でした。90日時点での累積死亡率は29%でした。患者の臨床的特徴のうち、高齢、来院時の非洞調律、心機能低下(40%未満)、心室性不整脈が90日死亡と関連が認められました。心筋の病理組織が得られた215例を対象とした解析から、リンパ球性心筋炎において、障害を受けた心筋細胞の割合が多い症例で、死亡率の上昇との関連が認められました。 本研究から得られた成果に基づいて、死亡率が高い劇症型心筋炎患者の予後予測に関して、より適切な情報提供が可能になると考えられます。今後は、長期的に拡張型心筋症様の症状を呈する症例の割合等も解析する予定です。なお、この結果は、2022年Circulation誌に誌上発表しました(Circulation 2022;146:1425) | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
対象疾患/指定難病告示番号 | 劇症型心筋炎 | |
目標症例数 | ||
登録済み症例数 | 344 例 | |
研究実施期間 | 2021年4月−2024年3月 | |
レジストリ名 | JRFM | |
レジストリの目的 | 患者数や患者分布の把握 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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