項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 世界最大劇症型心筋炎レジストリを用いた長期疫学調査及び予後予測モデルの開発(Determination of long-term prognosis of fulminant myocarditis using the world-biggest registry ) | |
研究代表者名 | 斎藤能彦 | |
研究代表者の所属機関名 | 奈良県立医科大学 循環器内科 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 心筋症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;疫学研究 | |
研究概要 | 劇症型心筋炎は、感染等を契機に心筋に炎症をきたす心筋炎の中でも、特に希少かつ、死亡率の高い疾患であり、遠隔期に拡張型心筋炎様の経緯をたどる症例も報告されている。症例集積が困難であることから、全世界的にみても、疾患登録は180人程度の患者を対象にしたものが最大で、病理組織像について多数例で報告した例はなく、劇症型心筋炎の長期の疫学調査や有効な治療法確立は極めて困難とされている。 上記の現状から、劇症型心筋炎は、日本循環器学会の5ヵ年計画登録事業である、「難治性疾患研究事業」のひとつとして位置づけられ、学会とも連携をとり、ガイドラインの基盤となるデータの提供が必要視されている。我々は現在、劇症型心筋炎の急性期の疾患登録(the Japanese Registry of Fulminant Myocarditis [JRFM registry])を進めており、2020年12月時点で、250以上の施設から、臨床上の診断基準を満たす生検診断300例以上を含む700例以上の症例が登録され、、全世界的にこれまで類をみない大規模データベースの作成に成功した。現在の疾患登録は急性期と退院後約1年までの予後情報に限られることから、本研究では、現在構築中のデータベースに、長期の心エコー情報を含む臨床経過や病理組織画像を新たに収集し、劇症型心筋炎医療の質向上を目指すエビデンス構築を目的とした。 本研究では、まず、現在構築中の急性期データベースを基盤として、患者の長期予後や遠隔期の情報(画像情報、心機能、服薬内容等)を収集し、劇症型心筋炎患者の長期予後・拡張型心筋症様の病態に移行する割合や、死亡等のイベントの発症予測モデルの構築を試みる。次に、心筋生検を施行している症例を対象として、新たに未染組織を収集し免疫染色等も含めた心筋病理の詳細画像解析を実施し、これまで共同で心臓病理AIの開発を行なってきた奈良先端科学技術大学院大学と協力して、病理画像情報と臨床情報を用いて人工知能による予後予測モデルの開発を行う。 本研究は、日本循環器学会・日本心不全学会の協力のもと行う研究であり、研究結果は学会を通じてガイドラインに反映していく。全世界最大の登録研究に基づき、希少疾患である劇症型心筋炎について、長期予後並びに拡張型心筋症様の病態への移行・特徴解明し、病理学的視点も含めた予後予測モデルを作成することを通して、これまで疾患疫学すら不明であった劇症型心筋炎の長期の予後予測や有効な治療法等の、診療に直結するエビデンスを創出することができる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 激症型心筋炎 | |
目標症例数 | 755 例 | |
登録済み症例数 | 755 例 | |
研究実施期間 | 2012-2016 | |
レジストリ名 | JRFM:Japanese Registry of Fulminant Myocarditis | |
レジストリの目的 | 疫学研究 | |
調査項目 | 激症型心筋炎の自然予後の解析と拡張型心筋症様の病態に進展する割合の調査 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
奈良県立医科大学循環器内科 斎藤能彦 saitonaramed●gmail.com |
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