項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | リパスジルを用いた未熟児網膜症に対する新規点眼薬の開発 | |
研究代表者名 | 有馬充 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人 九州大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 未熟児網膜症 | |
研究のフェーズ | 臨床試験 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 未熟児網膜症(ROP)は代表的な小児失明原因疾患である。本邦で年間5000人がROPを発症し、うち約1000人が治療を受ける。ROPは治療時期を逃すと永続的な視力障害を生涯残す重篤な疾患であり、視覚支援学級児童の原因疾患のうち19%をも占める(弱視教育.2012)。 ROP病態の根幹は虚血に引き続く網膜異常血管の形成である。既存治療として光凝固術及び抗VEGF治療が行われるが、以下の問題点がある。 まずは侵襲性の高さである。両治療法ともに疼痛を伴い、早産児は身体的ストレスに弱いため医原性呼吸循環不全を起こす例がある。また、光凝固術は虚血網膜を焼却する治療だが、凝固斑の瘢痕化により屈折異常や網膜形態異常が誘発されるため視力予後は不良である(JAAPOS.2013)。一方、抗VEGF治療は血管形成に必須の分子であるVEGFに対する分子標的治療だが、異常血管のみならず正常網膜血管網の発達をも阻害するため、異常血管は退縮するものの網膜虚血は残存する(Retina.2017)。よって抗VEGF治療単独では再発率が約40%と高い(Ophthalmology,2017)。以上のような問題点から、既存治療は一定の病期まで進行したROP(重症ROP)に対してのみ適応となる。 我々は興和(株)と共同研究を行い、リパスジル(グラナテック®点眼液0.4%、成人緑内障に対する点眼治療薬として承認)がROP進行抑制効果及び治療効果を有することを明らかにし(IOVS,2016)、知財化を行った。点眼は低侵襲であるため早期治療介入が可能であり、ROPが重症化する前に治癒へ導くことが期待できる。既存治療には侵襲性の高さや安全性での問題から治療適応のラインが存在し、このラインを越えるまで経過観察する他に手立てがない。本研究期間では多施設共同第Ⅰ/Ⅱ相治験を実施し、次相以降の開発に必要な情報を得る。本剤点眼治療の有効性が証明されれば、ROPを既存治療適応ラインまで重症化させずに治癒させることが期待できることから患者の視力予後向上が期待でき、治療の第一選択肢となりうる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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