項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | メタボローム情報に基づく肺―腸―腸内細菌相関による肺動脈性肺高血圧症の発症機構 | |
研究代表者名 | 中岡良和 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立循環器病研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 肺動脈性肺高血圧症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary Arterial Hypertension: PAH)は、肺動脈に原因不明の狭窄や閉塞を来たして肺動脈圧上昇から右心不全に至る難病である。現在のPAH治療薬に抵抗性を示す患者の予後は不良で、分子機序の異なる新規治療薬の開発が必要である。PAHの遺伝性素因にはBMPR2シグナル関連遺伝子が知られるが、疾患浸透率は20%と低く、PAH発症には炎症や外来化学物質の曝露が重要と考えられている。申請者はinterleukin-6(IL-6)/Th17細胞/IL-21シグナル軸がPAH病態形成に重要であることを報告した(PNAS2015)。Th17細胞は全身で腸管に最も多く存在して、Th17細胞分化に特異的な腸内細菌叢が重要とする報告を踏まえて、申請者はPAH病態での腸内細菌叢の役割を検討して来た。PAHモデルラットでは対照群と比べて腸内細菌叢の構成が大きく変化して、抗生剤4剤投与によりラットの腸内細菌叢を無菌化に近い状態にするとPAH病態は有意に抑制された。また、化学物質センサーの転写因子・芳香族炭化水素受容体(AHR)のノックアウトラットではPAH病態が抑制されるだけでなく、上記のPAH特異的腸内細菌叢の変化もキャンセルされた。上記の実験結果からPAH特異的腸内細菌叢の存在が示唆された。そこでPAH患者100例以上を目標に糞便と血液検体を集積し始めてプレリミナリーにPAH患者と健常者25例ずつを比較検討したところ、PAH患者特異的な腸内細菌叢構成の変化が観察された。以上より、「PAH特異的な腸内細菌叢の変容が、腸内細菌叢由来の代謝物(AHRリガンド等)や免疫細胞の腸から肺への移動を介してPAH病態を促進する」と仮説を立てて以下の研究開発項目を立案した。(1)メタゲノム解析によるPAH特異的腸内細菌叢の同定、(2)ノトバイオートラットを用いたPAH特異的腸内細菌叢の病態機構の解明、(3)PAH病態をAHRが促進する分子機構の解明、(4)PAH病態に関わる肺―腸-腸内細菌相関を担う代謝物の探索・同定、(5) 肺―腸-腸内細菌相関における肝臓の役割の解明を進めた結果、PAH病態特異的な腸内細菌叢の同定に至った。今後、本研究成果を発展させる事で、革新的PAH治療法やPAH重症度に相関する新規バイオマーカー開発に繋がるものと期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;便;唾液 | |
収集サンプル数 | 100 | |
生体試料の登録例数 | 100 | |
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | ||
全エキソーム解析済み症例数 | ||
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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