項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患政策研究事業 | |
研究課題名 | フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究 | |
研究代表者名 | 辻川明孝 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人 京都大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | フォン・ヒッペル・リンドウ病 | |
研究のフェーズ | 疫学研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
研究概要 | フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病は、常染色体優性遺伝の希少難病(推定有病率36,000人に1人)であり、小児期から生涯にわたって闘病が必要となる症候群である。脳脊髄血管芽腫による神経症状(麻痺・めまい)、網膜血管腫による視機能低下、膵病変・腎病変・褐色細胞腫・内耳リンパ嚢腫など複数の疾患を合併する。身体機能の温存には、複数診療科が連携し継続して検査を行い、適切な時期での治療介入を行うことが必須となる。本症候群に対して、平成21年度より29年度にかけて同事業研究班により、診療体制の整備が行われてきたが、希少疾患のため疫学も不明であり、専門医が少数であるため適切な医療を受けられる十分な診療体制は構築されていない。また、診療指針に関しては、新たな検査・治療法の知見を反映し、令和2年米国VHL Allianceによるガイドライン改訂にも準じた改訂を行った上で、全国の医療者・患者双方への啓発活動が求められる。また、以前に実施された疫学調査はアンケート調査であり、症例登録は現在運用されていない。令和3年8月VHL病に対する新規治療薬であるHIF2-α阻害薬: belzutifanがFDA承認され、今後本邦導入が期待される状況であり、本邦での実態調査が不可欠である。複数診療科が関与する希少難病であるため、本事業での研究班立ち上げの他に上記の課題を解決する手段がない。 本研究の目的は、疫学調査、現在の医療体制に即した診断・治療の標準化を実現し、患者・家族に対して適切な医療体制および社会福祉制度の環境を整え、本症候群の臨床的克服に向けた基盤を整備することである。この目的を達成するため、本研究班では以下の研究を実施する。 ① 各診療科のVHL病専門家にて、診断基準、重症度分類や診療指針の改訂を行い(令和4年度)、関連学会の承認を得る。 ② VHL病診療の拠点施設を各地方に設置し、遺伝子診断・カウンセリングも含めた診療体制の整備を行う(令和5年度)。医療関係者向けのホームページを作成し、啓発活動を行い、診療体制を強化する。 ③ ナショナルデータベース(厚生労働省の全国民規模レセプトデータベース)を利用した疫学調査を行い(令和4年度)、地域差なく、小児期・AYA世代・成人期通じて、患者が適切な医療を受けられる体制を構築する。 ④ 患者会へのヒアリングによる診療状況、QOL、経済的問題などの実態調査を行い(令和4年度)、啓発活動を行う。 ⑤ 指定難病の申請を行い、難病プラットフォーム(AMED公的データベース)への登録を推進する。 ⑥ 米国VHL Allianceの拠点施設に参加し、情報収集を行い、本邦の状況を報告し、連携を行う。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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