項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | ヒトES細胞由来軟骨による気管狭窄症に対する治療法開発研究 | |
研究代表者名 | 古村眞 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 先天性気管狭窄症/先天性声門下狭窄症 | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | 本研究では、指定難病である声門下狭窄症の治療法開発の研究を行う。重度の狭窄では、肋 軟骨をgraftとして採取して、狭窄部にパッチで移植する気管形成術を施行し、数か月ステン トチューブを留置する侵襲的な治療が行われる。肋軟骨パッチ移植の長期的治療成績は、肉 芽や再狭窄を合併するため必ずしも満足できるものではない。近年では、正常気管同士を端 々吻合するPartial cricotracheal resectionが施行されることもあるが、術後縫合不全を合 併すると再手術することは困難である。本研究の目的は、ヒトES由来軟骨と生分解性足場を 用いた再生気管軟骨による気管再建術の概念を実証し、適切な免疫環境下でヒトES由来軟骨 を生着させる技術を開発することである。分担研究者の国立成育医療研究センターでは、ヒ トES細胞を樹立し、肝細胞に分化させて、先天性尿素サイクル異常症に対する医師主導治験 (JMA-ⅡA00412)を実施し、ヒトES細胞の安全性と有効性を実証した。また、ヒトES細胞を 軟骨に分化する方法も確立した。そこで、本研究では、非臨床安全試験を完了したハイブリ ッド人工耳介の足場技術を再生気管軟骨に応用し、2x1x0.3㎝大の再生気管軟骨を製作し、気 管形成術の概念実証を行う。そのために、以下の実験を行う予定である。 ①ヒトES細胞の軟骨分化方法の最適化を行う。また、分化させた軟骨の成熟度を識別する評 価項目を検索する。 ②ハイブリッド人工耳介の足場作成技術を応用して、再生気管軟骨用の足場材料を開発し、 ヒトES軟骨から気管軟骨を再生させる方法を確立する。 ③ヒトES軟骨と再生気管軟骨用足場による大動物を用いた気管再建の概念実証を実施する。 ④ヒトES軟骨の免疫原性の確認と最適な免疫抑制法の検討を行う。 我々は、ヒトES由来軟骨を通常免疫のF344ラットの気管に移植して3か月間拒絶されずに維持 できることを確認しており、適切な免疫環境を作ることで移植が可能であると考えている。 申請する本研究は、ヒトES由来軟骨による再生気管軟骨が気管再建術に使用できることを実 証する。ヒトES由来再生気管軟骨による気管再建術を実現すれば肋軟骨の採取が不要となり 、ヒトES由来再生気管軟骨をオーダーして気道再建術が可能となる。さらには、狭窄部が声 門下狭窄症よりも長い気管狭窄を治療することが、将来的に可能となる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
東京大学 古村 眞 komura-tky●g.ecc.u-tokyo.ac.jp |
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