項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | ヒストンメチル化酵素G9aを標的としたβグロビン異常症の新規治療薬の開発 | |
研究代表者名 | 伊藤昭博 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京薬科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | βグロビン異常症 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
研究概要 | βグロビン遺伝子異常により発症する遺伝性疾患であるβサラセミアや鎌状赤血球症などのβグロビン異常症の治療法として、生後に産生が抑制される胎児型ヘモグロビン(HbF)の再活性化が提唱されている。ヒストンメチル化酵素G9aの阻害剤は、赤血球中のHbFの産生を誘導することから、グロビン異常症の治療薬になり得る。申請者が開発した特異的で強力なG9a阻害剤RK-701は、ヒト初代培養赤血球、マウスおよびラットにおいて、胎児型グロビン遺伝子の発現を増加させる。また、ラット予備2週間毒性試験およびイヌテレメトリー予備試験において顕著な異常はなく、さらに遺伝毒性も示さず、良好な安全性プロファイルを有している。そこで本研究は、RK-701を開発候補品とし、高次薬理評価、薬物動態試験、GLP準拠の非臨床試験を実施し、非臨床POCとヒトで安全に臨床試験を実施するのに必要な毒性情報を取得することにより、本研究終了までに企業へ導出することを目的とする。具体的には、GLP原薬を製造し、製剤化に向けての検討を行うとともに、GLP準拠の安全性試験(ラット4週間反復経口投与毒性試験、イヌ4週間反復経口投与毒性試験)、遺伝毒性試験(AMES, in vitro小核試験)、安全性薬理試験(hERG阻害試験、イヌテレメトリー試験、ラット中枢・FOB試験)、T3 NRU光毒性試験等を実施する。加えて、サルおよび疾患モデル細胞を用いて、RK-701の薬効を評価するともに、臨床試験実施に必要なADMEプロファイルを取得する。本研究の最終的な目標は、RK-701をβグロビン異常症の治療薬として創出することにある。既存のG9a阻害剤と異なる構造を有するRK-701は、既存薬であるヒドキシウレアより優れたHbF誘導活性を有することから、安全性が高く且つ薬効の優れたβグロビン異常症治療薬として、βサラセミアや鎌状赤血球症の患者が長年待ち望む新しい治療薬になり得ると期待される。また、これまでの結果からRK-701は優れた体内動態と安全性プロファイルを有するが、リスクヘッジの一環としてバックアップ化合物の開発を並行して行う。RK-701安全性等に懸念が生じた場合、RK-701の開発を中止し、バックアップ化合物での開発にスイッチすることで、できるだけ研究計画より遅れないスケジュールで本課題の目標を達成することを目指す。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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