項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | ステロイド治療抵抗性の天疱瘡患者を対象としたリツキシマブの医師主導治験 | |
研究代表者名 | 天谷雅行 | |
研究代表者の所属機関名 | 慶應義塾大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 天疱瘡 | |
研究のフェーズ | 臨床試験 | |
研究概要 | 天疱瘡は、表皮細胞間接着に不可欠な分子デスモグレインに対する自己抗体によって皮膚・粘膜に水疱を形成する自己免疫疾患で、その治療は、現状ではステロイド内服をはじめとした免疫抑制療法が中心である。しかし、既存の治療法のみでは病勢が制御できない症例がときに存在し、近年では抗CD20抗体療法が注目されてきた。CD20はB細胞表面のみに特異的に発現される分子で、抗CD20抗体療法はB細胞を標的とし、形質細胞に分化する細胞を排除することで抗体産生を抑制する。ヒトCD20に対するモノクローナル抗体のリツキシマブ(RTX)は、主にB細胞リンパ腫に使用されてきたが、天疱瘡に対しても海外で300例以上の使用報告があり、ヨーロッパのガイドラインでは、治療抵抗例におけるセカンドラインとして推奨される治療法になりつつある。しかし日本では保険適応がなく、天疱瘡に対しては使用できない。海外においても未承認のまま使用されている現状のため、公知申請からの保険承認は困難である。 そこで研究開発代表者らは、2009年より厚生労働省の稀少難治性皮膚疾患に関する調査研究班の研究の一環として、ステロイド抵抗性の天疱瘡・類天疱瘡の症例を対象にRTXの効果・安全性の探索的研究を実施した。国内4施設で難治性の天疱瘡9例にRTXを投与し、全例で有効であった(論文準備中)。この結果を受け、RTXの天疱瘡に対する保険適応の拡大をめざして本試験が計画された。ステロイド療法に抵抗性の天疱瘡に対するRTXの有効性・安全性を、客観的な指標(臨床症状スコア)で定義された寛解に到達した症例の割合を主要評価項目として、医師主導治験により証明する。計画について、2016年3月に医薬品医療機器総合機構における対面助言で確認された。 本研究課題終了後の成果として、本試験の結果をもって全薬工業により天疱瘡に対するRTXの薬事承認申請の予定である。RTXの保険適応が天疱瘡に拡大すれば、ステロイドに依存しない治療の選択肢として、診療ガイドラインに影響を与えるだけでなく、現状の治療戦略を根本的に変える可能性もある。ステロイドの総投与量を減らせれば、入院期間の短縮、合併症リスクの軽減につながり、天疱瘡の患者に生産年齢が多いことを考えれば、単に医療費削減だけではない経済効果も期待され、難病行政の面からも大きな意味を持つと考えられる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 天疱瘡/35, 類天疱瘡/162 | |
目標症例数 | 1000 | |
登録済み症例数 | 100 | |
研究実施期間 | 2018年5月~2023年3月 | |
レジストリ名 | 自己免疫性水疱症レジストリ | |
レジストリの目的 | 患者数や患者分布の把握;治験またはその他の介入研究へのリクルート | |
調査項目 | 年齢、性別、病歴、治療歴など | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
慶大皮膚科、山上淳、yamagamijun●keio.jp |
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