項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | ゲノム編集によるアレルラベリングを利用した重症先天性好中球減少症の病態解明 | |
研究代表者名 | 岡田賢 | |
研究代表者の所属機関名 | 広島大学大学院医系科学研究科 小児科学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 原発性免疫不全症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 【研究の背景】 重症先天性好中球減少症(SCN)は、慢性好中球減少により生後早期から重症細菌感染を反復する原発性免疫不全症である。本症患者の約60-70%に、好中球エラスターゼ(NE)の責任遺伝子ELANEのヘテロ変異を認める。変異NEによる好中球の分化障害が疑われているが、詳細は不明である。 【目的・ねらい】 デジタルPCRを用いてアレル毎のELANE発現の追跡システムを確立し、野生型、変異ELANE発現の揺らぎ(アレルインバランス)の病態への関与を検討する。 【研究内容、特色・独創性】 近年、細胞毎の不均一性、遺伝子発現の揺らぎの存在が明らかとなってきた。本課題では、1)細胞毎のELANE野生型アレルと変異アレルにおけるアレルインバランスの存在、2)変異アレル発現の好中球分化への影響、3)変異アレル破壊による遺伝子治療の可能性を検討する。デジタルPCRでアレル毎のELANE発現を測定し、細胞毎の不均一性が病態に及ぼす影響を検討する。 以下に示す点からELANE異常症に着目する。1)疾患特異的治療法が未確立、2)ヘテロ変異で発症しアレルバランスの評価に適する、3)iPSを用いた好中球の分化系が確立済み、4)ハプロ不全が発症原因にならない可能性が高い、5)変異モザイク患者はSCNを発症せず、一部の幹細胞に対する遺伝子治療で効果が期待できる。 【長期的なロードマップ】 細胞毎にELANE発現のアレルインバランスが存在し、変異アレル発現が好中球の分化、増殖に影響することを証明できれば、病態解明のみならず変異アレル破壊による遺伝子治療の可能性を提唱できる。後の展開として、SCN患者由来CD34陽性細胞に対して変異アレル破壊を行い、NOGマウスを用いた骨髄再構築で、その効果と安全性を検証する。長期的には、変異アレル破壊による遺伝子治療の確立を目指す。 【学術的・社会的・経済的メリット】 変異アレル発現による好中球の分化障害を直接的に証明することでSCNの病態解明を行うとともに、『遺伝性疾患におけるアレルバランスの病態への関与』という概念の提唱が期待できる。将来的に現実化が期待されるゲノム修復による遺伝子治療に際して、個々の変異の修復を必要としない画一的な変異アレル破壊による遺伝子治療の可能性を示し、後の遺伝子治療の開発へ発展が期待できる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 原発性免疫不全症 | |
目標症例数 | 100 | |
登録済み症例数 | 20 | |
研究実施期間 | 2017年4月~2020年3月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 遺伝子解析研究 | |
調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | DNA;RNA | |
収集サンプル数 | 30 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
1 | 検査内容/対象疾患名(あるいは領域名)/指定難病告示番号 | 原発性免疫不全症の遺伝子検査/65 |
検査方法 | 遺伝子解析 | |
検査実施場所 | 研究室内 | |
保険収載の有無 | あり | |
検査実施費用の確保方法 | 保険診療の費用;研究費(AMED);研究費(厚生労働科学研究費補助金);研究費(文部科学省の科学研究費) | |
検体検査結果の利用内容 | 診断;治療選択(対症療法以外);合併症の予見;予後の推定;遺伝カウンセリング | |
検体検査の品質・精度管理 | 研究として実施;改正医療法に則って実施 | |
検査または検査結果に関する相談の受け入れ可否 | 研究班で受け入れ可能 | |
相談方法 | 相談方法:https://www.jsiad.org/consultation/ | |
担当者連絡先 | ||
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