項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | クリスタリン網膜症の新規治療法開発 | |
研究代表者名 | 池田華子 | |
研究代表者の所属機関名 | 京都大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | クリスタリン網膜症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;非臨床試験 | |
研究概要 | 希少難病であるクリスタリン網膜症はcytochrome P450 family 4 subfamily V member 2(CYP4V2)を原因遺伝子とし、進行性に視野狭窄・視力低下し失明に至る網膜変性疾患の一つであり、有効な治療法がない。日本における患者数は、約1500人とされる。我々は患者由来iPS細胞を用い、クリスタリン網膜症では網膜色素上皮細胞に遊離コレステロールが蓄積し、リソソーム機能障害・オートファジー分解系の障害、細胞死が生じること、シクロデキストリン誘導体は 、細胞内遊離コレステロール蓄積を軽減し、リソソーム機能障害、細胞死を抑制することから、クリスタリン網膜症に対する治療法になりうることを明らかにした。クリスタリン網膜症への投与は数十年と長期で、病変が網膜に限定されることを考えると、眼局所投与による薬剤デリバリーが望まれる。これまでの検討により、現行のシクロデキストリン誘導体は点眼にて網膜に到達するものの、薬効濃度には達していない。 本研究では、シクロデキストリン誘導体の最適化・修飾・製剤化を行い、薬効濃度を低下させるとともに、眼局所投与による網膜への薬剤移行を改善することで、クリスタリン網膜症に対する治療薬候補を決定する。決定した治療薬候補剤にて、用量・用法検討を行う。また、クリスタリン網膜症モデル動物に治療薬候補剤の眼局所投与実験を行い、非臨床POCを取得する。さらに、疾患レジストリの構築・強化を行い、自然経過観察研究を実施する。 初年度には、細胞内・網膜内への移行を改善させるよう、シクロデキストリン誘導体の最適化を行う。患者iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞を用いたin vitroモデルにおいて、薬効濃度を検討する。また、クリスタリン網膜症モデルマウスを作成する。次年度には、最適化されたシクロデキストリン誘導体の製剤化検討を行い、in vitroモデルにおける薬効確認を行う。最終年度には、薬物動態試験を実施し、作成したクリスタリン網膜症モデルマウスに投与実験を行い、薬効を検討、候補薬剤は網膜色素上皮細胞・網膜変性の抑制、視機能低下の抑制効果をもつとの非臨床POCを取得する。 本研究にて、クリスタリン網膜症に対する治療薬候補薬剤が決定し、非臨床POCが取得できれば、医師主導治験(第1/2相試験)を実施、薬事承認を得られるよう開発を進める予定である。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
対象疾患/指定難病告示番号 | クリスタリン網膜症 | |
目標症例数 | 20 例 | |
登録済み症例数 | 25 例 | |
研究実施期間 | 2021年4月~2024年3月 | |
レジストリ名 | 網膜変性患者レジストリ | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;遺伝子解析研究;登録患者への情報提供 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | あり | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 倫理委員会の承認を受けて提供。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;便 | |
生体試料の登録例数 | 1279 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 倫理員会申請、承認後可能。 | |
担当者連絡先 | ||
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