項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症の遺伝子治療開発 | |
研究代表者名 | 村松一洋 | |
研究代表者の所属機関名 | 自治医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症 先天代謝異常症 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験;ステップ1 治験準備 | |
研究概要 | 【研究の背景・必要性】近年、難治疾患の根本治療として遺伝子治療開発が世界的に進められ、安全性や治療効率の点からアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターが利用されている。申請者達は、AAVベクターによる遺伝子治療開発を進め、AADC欠損症では臨床応用し治療の安全性と有効性を示した(Kojima K, et al. Brain 2019)。さらに、GLUT1欠損症やニーマンピック病C型(NPC)でも開発中である。一方で、先天代謝異常症では肝臓が疾患の原因となる疾患が多いが、従来のAAVベクターでは肝臓への遺伝子導入効率が十分ではなく、治療に活かすことができなかった。先天代謝異常症は根治的治療法の開発が喫緊であり、私達は肝臓に効率よく遺伝子を導入する新規AAVベクターを開発して先天代謝異常症の遺伝子治療の確立を目指した。2020年度までAMEDの支援によるステップ0の研究を実施しており、十分な成果の見込みを得て間もなく終了する。 【目的・ねらい】ヒト肝細胞に効率的に遺伝子導入が可能な新規AAVベクターによるOTC欠損症の遺伝子治療の治験準備を3年間で進める。 【特色・独創性】ヒト肝臓に効率よく遺伝子導入が可能なAAV.GT5を使用する。薬物治療では中枢神経後遺症を回避できず、生涯にわたり低タンパク食を強いられるOTC欠損症の、現在の唯一の根治的治療法は生体肝移植であり、血管内投与による遺伝子治療が確立すれば、より非侵襲的な根治的治療となる。 【類似研究・競合に対する有意点・国際的に見た研究の立ち位置】 申請者らは、AAVベクターの使用に習熟しており、AADC欠損症の遺伝子治療臨床研究の実現に加え、GLUT1欠損症やNPCなど複数の疾患に対する遺伝子治療法開発研究の実績がある(Nakamura S, et al.Gene Ther,in press. Kurokawa Y, et al.Hum Gene Ther,in press.)。開発のスキームは既に確立し、対象疾患のOTC欠損症ではステップ0において実績を挙げてきた。米国において、Ultragenyx Pharmaceutical Inc.がAAV8ベクターを使用したOTC欠損症の遺伝子治療の治験を開始しているが、今回使用するAAV.GT5はAAV8ベクターよりヒト肝細胞に対する遺伝子導入効率が圧倒的に優れており、十分な勝算がある。 【本研究課題終了時に期待される成果】OTC欠損症において、AAV.GT5-OTCによる遺伝子治療開発のための非臨床POCを取得し、薬効薬理安全性試験、大型動物での全身投与による安全性評価を完了する。治験用のGLPレベルのベクター作製、治験等準備へ移行する。 【将来展望】OTC欠損症の非侵襲的根治療法を実現し、ガイドライン上の第一選択として、中枢神経予後を改善する。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | SENDA/BPANなどのオートファジー病 難病非指定 | |
目標症例数 | 100 例 | |
登録済み症例数 | 0 例 | |
研究実施期間 | 2021年4月〜2024年3月 | |
レジストリ名 | 難病プラットフォーム「小児神経疾患・先天代謝異常症に対する遺伝子治療法研究」 | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究;登録患者への情報提供;主治医への情報提供 | |
調査項目 | 患者背景、診断名、家族歴、出生情報、臨床情報、ゲノム情報 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 事務局で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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