項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | エルドハイム・チェスター病の新規治療標的の探索 | |
研究代表者名 | 黒川峰夫 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | エルドハイム・チェスター病 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;疫学研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | エルドハイム・チェスター病(ECD)は、骨・中枢神経・腎・心・肺・皮膚などの全身の多彩な臓器へのECD細胞の浸潤を特徴とする希少疾患である。発熱・倦怠感といった全身症状、骨痛・めまい・視力低下・呼吸困難・尿崩症などの様々な症状により患者のQOLが低下し、生命予後も不良な疾患である。本疾患の有効な治療法は確立されておらず、近年ではBRAF変異やMEK経路の活性化変異の報告を受けてBRAF阻害薬、MEK阻害薬が使用されるようになったがこれらを標的とした治療では根治を得られていない。申請者らの研究室では平成26年以後厚生労働省の難治性疾患等政策研究事業においてECDの調査研究を継続して行ってきたが、本研究では、これらの実績を活かしてECDの新規治療標的を同定し、根治的な新規治療法を確立する。 第一に、患者検体を多数収集した実績を活かして、患者検体を用いた全ゲノムシークエンス、RNAシークエンス、ChIPシークエンスによる統合的な解析を行い、ECDの新たなドライバー変異および発現異常遺伝子を明らかにし、新規治療標的を同定する。 第二に、前述のNGS解析では検出し得ない治療標的の同定を目的として、CRISPR/Cas9 sgRNAライブラリや化合物ライブラリを用いたハイスループットスクリーニングを行う。これらのアッセイ系においては多くの細胞数が必要となるため、患者検体のECD細胞から細胞株化・iPS細胞化・オルガノイド化の技術を用いて培養ECD細胞系を確立し、希少疾患で検体量が限られるという問題点をクリアする。これらの手法を活用し、BRAF阻害薬、MEK阻害薬と合成致死関係にある因子の探索および、これら薬剤への耐性機序の解明を行い、画期的新薬の創出を目指す。 第三に、上記の解析系の円滑な運用に重要なECD細胞検体の収集・集積を継続的に実施するため、ECD患者検体レポジトリの構築を行う。疫学調査の実績を活かして国内の主たるECD治療拠点と連携を行うことで、豊富な臨床情報が紐づいた患者検体の収集が可能となるが、更に前述のNGS解析結果と統合して解析することで、臓器・症状特異的な治療開発に繋げることを目指す。本研究成果は世界のECD研究をリードするものであり、本研究達成後は引き続き前臨床試験を経て臨床試験へ進むことで、ECD患者のQOL向上、生命予後改善に大きく寄与すると考えられる。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
対象疾患/指定難病告示番号 | エルドハイム・チェスター病 | |
目標症例数 | 50 例 | |
登録済み症例数 | 63 例 | |
研究実施期間 | 2020年4月〜2023年3月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 組織 | |
収集サンプル数 | 20 | |
生体試料の登録例数 | ||
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | ||
全エキソーム解析済み症例数 | ||
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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