項目 | 内容 | |
---|---|---|
事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | エビデンスに基づいた難治性炎症性腸疾患に対する治療ポジショニングの構築 | |
研究代表者名 | 長沼誠 | |
研究代表者の所属機関名 | 関西医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 潰瘍性大腸炎 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 潰瘍性大腸炎(UC)は若年に発症し生涯にわたり治療の継続を余儀なくされる難病であることから、新規治療法開発により再燃や入院機会を抑制することが必要である。難治性UCに対する治療法として、これまでは、血球成分吸着除去療法、免疫抑制剤であるcalcineurin阻害剤、3つの抗TNFα抗体製剤による治療が行われてきたが、平成30年に新たに2つの製剤、JAK阻害剤であるtofacitinibおよび腸管選択的接着分子阻害剤であるvedolizumabが登場し、7つの治療法が使用できるようになった。現在の治療指針の難治例に対する治療法には治療法が並列して記載されているのみであり、臨床背景の相違による、治療法選択については明確ではないため実臨床においては治療選択に迷う症例も存在する。さらにUCの臨床研究については治療指針・ガイドライン作成に必要なエビデンスを構築するようなhead to headの臨床試験が行われていない。また多施設共同コホート研究による治療効果を検証した報告も少ないため、治療指針の治療法については国内外の治験成績、医師の使用経験に基づいた指針が記載されているのが実情であり、エビデンスに基づいた治療選択法が明記されていないのが実情である。以上より、難治性炎症性腸疾患に対する治療法選択の根拠となるような科学的研究をオールジャパンで遂行することが必要である。 本申請研究においては、厚生労働省研究班と連携を取りながら、難治性炎症性腸疾患における治療法の有効性と安全性を検証するための臨床試験を計画・実施することにより、治療指針・ガイドライン作成に反映するような成果を得ることを目標とする。抗TNFα抗体製剤未使用例・既使用例という実臨床で遭遇するシチュエーションにおける治療法のhead to head試験を行うとともに、レジストリーを用いて実臨床における抗TNFα抗体製剤、calcineurin阻害剤、JAK阻害剤、接着分子阻害剤の有効性を比較する研究を行うことにより治療ポジショニングを明確にする。 本研究により効率性の高い治療法選択を行える治療指針作成に貢献することが可能となると考えられる。また成果は臨床症状改善率の向上、外科的手術率の低下、当該患者の生活の質を高めることが可能となるとともに、治療不応例の減少による、医療費の軽減にも貢献すると期待される。また、本研究をロールモデルとして、炎症性腸疾患領域における有益な臨床研究を行う土台を構築したいと考えている。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 潰瘍性大腸炎/97 | |
目標症例数 | 300 例 | |
登録済み症例数 | 16 例 | |
研究実施期間 | 2020年8月ー2022年12月 | |
レジストリ名 | 入院を要する活動性潰瘍性大腸炎患者のレジストリ | |
レジストリの目的 | 疫学研究 | |
調査項目 | 主要評価項目 治療における試験開始後7日目における臨床的寛解率 副次評価項目 1) 試験開始後3,14,28日目における臨床的寛解率 2) 試験開始後3,7,14,28日目におけるPMO 0の割合 3) ベースラインと3,7,14,28日目とのPMOの推移 4) 治療開始後28日以内の手術率(緊急、待機手術) 5) 治療開始後14日以内の治療変更した症例の割合 6) 28日以内に発症した感染症 7) 28日以内に発症した感染症以外の副作用 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 倫理委員会の承認後提供を検討する。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
1 | 検査内容/対象疾患名(あるいは領域名)/指定難病告示番号 | 血清CRP アルブミン ヘモグロビンなど/潰瘍性大腸炎/97 |
検査方法 | 生化学検査 | |
検査実施場所 | 医療機関内 | |
保険収載の有無 | あり | |
検査実施費用の確保方法 | 保険診療の費用 | |
検体検査結果の利用内容 | 治療選択(対症療法以外);合併症の予見;重症度の判定 | |
検体検査の品質・精度管理 | その他 | |
検査または検査結果に関する相談の受け入れ可否 | 受け入れ不可 | |
相談方法 | ||
担当者連絡先 | ||
関西医科大学 消化器肝臓内科 長沼誠 naganuma●hirakata.kmu.ac.jp |
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。