項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | インプリンティング疾患の診療ガイドライン作成に向けたエビデンス創出研究 | |
研究代表者名 | 緒方勤 | |
研究代表者の所属機関名 | 浜松医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | インプリンティング疾患 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
研究概要 | 対象疾患:Kagami-Ogata症候群 (KOS14)、Temple症候群 (TS14)、Silver-Russell症候群 (SRS)、Beckwith-Wiedemann症候群 (BWS)、Prader-Willi症候群 (PWS)、Angelman症候群 (AS) 研究の目的:(1) 臨床診断基準の樹立、(2) 遺伝学的診断システムの構築である。 研究方法:(1) 臨床診断基準の樹立:既にわれわれが遺伝学的に診断しえた膨大な患者を対象として、臨床情報データシートを用いて系統的に臨床情報を収集し、臨床症状の性質(特異的・特徴的・・非特異的症状)や各症状の頻度を解析する。これにより、本邦診療ガイドラインや国際コンセンサスガイドラインが存在しないKOS14とTS14では新規診断基準の作成を、残るSRS, BWS, PWS, ASでは既に作成された国際的診断基準が本邦においても使用できるか否かを検討する。なお、この臨床情報収集では、受けた治療やその効果についても網羅的に情報を集積し、希少疾患において有用な治療法の検討を行うと共に、重篤な合併症が判明したときには、追加的にその発症機序の解明や治療法の検討を進める。 (2) 遺伝的診断システムの構築(8疾患全てを対象):特定インプリンティング領域のメチル化解析と遺伝子・ゲノムコピー数解析を、一斉かつ簡便に行える疾患特異的(インプリンティング領域特異的)MS-MLPA (Methylation-Specific Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification)が遺伝学的解析における第1選択として推奨されるか否かを検討すると共に、遺伝子内変異を網羅的に解析できる遺伝子パネル検査を樹立する。そして、既存・新規患者において、このシステムの効果を検証する。 (3) エピ変異発症機序の解明(8疾患全てを対象):低メチル化エピ変異患者において、多座位(マルチDMR)解析用MS-MLPA(上記の疾患特異的MS-MLPAとは異なり、多数の疾患発症関連インプリンティング領域におけるDMRのメチル化状態を解析するツール)およびパイロシークエンスによりインプリンティング疾患発症関連DMRにおいてMLIDが存在するか否かを解析する。MLIDが存在するときには、全エクソーム解析でメチル化維持タンパク複合体コード遺伝子の変異解析を行い、変異が同定されたときには全ゲノムノメチローム解析でメチル化異常の範囲と程度を明らかとする。また、MLID陰性のエピ変異患者においても同様の解析を行い、遺伝子変異の関与を解析する。 期待される成果:以下が挙げられる。(1) インプリンティング疾患における臨床診断基準が作成される。(2) 推奨される遺伝学的検査法が樹立される。(3) エピ変異におけるMLIDの頻度やその臨床的影響ならびに発症責任遺伝子の同定などの進展が得られる。(4) これらの成果を基に、インプリンティング疾患診療ガイドライン作成が開始される。(5) 多数の英文論文が発表され、医学の発展に貢献する。(6) 多数の患者における臨床情報や検体の集積など、将来の研究基盤整備が進展する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
浜松医科大学、緒方勤、tomogata●hama-med.ac.jp |
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