項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 身体・知的・精神3障害を併存する難病モデルとしての22q11.2欠失症候群AYA世代の統合的支援に向けたエビデンス創出 | |
研究代表者名 | 笠井清登 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 22q11.2欠失症候群 | |
研究のフェーズ | 疫学研究 | |
研究概要 | 周産期・小児医療の発展による生命予後の改善により、children with special health care needs(C-SHCN)、すなわち慢性疾患を持ち一般の小児に比べて医療サービスをより多く必要とする「医療的ケア児」が、思春期・成人期を迎えることが可能になった。それに伴い、CSHCNが思春期・若年成人(AYA世代; adolescent and young adults)、すなわちAYA with special health care needs(AYA-SHCN)に向かうにあたっての、小児期医療から個々の患者に相応しい成人期医療へのシームレスな移行(トランジション)の重要性が高まっている。 医療に限らず、福祉や教育においても、本人の成長と共に「大人」として自らの人生や受けるサービスを主体的に選択していけるような成長促進的な関わりや、他者との関わりのための「居場所」が必要である。しかしながら、既存の支援の仕組みは依然として小児と大人の間で分断されており、病を抱える子どもたちが身体的・精神的な成長を遂げていく過程を連続的に支える体制は不十分である。 22q11.2欠失症候群は第22番染色体長腕q11.2領域の微細欠失を原因とする染色体起因疾患である。幼少期より先天性心疾患をはじめとした身体障害や知的障害を有し、さらに思春期以降に統合失調症様の精神病症状を高率で合併する。時には家庭内での暴力行為に至るほどの精神症状を呈することもある。身体・精神・知的の3障害が、それぞれ軽症から重症まで個体差を持って重複することが彼らの生きづらさを強めている。支援ニーズの多様性に対して、身体・知的・精神の3障害に合わせて作られた既存の定型的な支援の枠組みでは不十分であり、身体症状や精神症状の重さを理由に受け入れを断られてしまうことが多く、居場所感を得られずにいることが少なくない。 このように、特に難病を持つ子どもとその家族が抱える生活(Life)上の困難は深刻かつ、人生(Life)の時間軸の上で多様性を帯びていくため、個別化された包括的な支援体制が必須であるが、成長・発達段階に応じた心理社会的支援及び適切なトランジションの指針となるエビデンスは乏しい。 本研究開発では、22q11.2欠失症候群を持つ本人とその家族への質量混合調査による支援ニーズの把握(開発項目1、マイルストン1)を通じて、統合的な支援モデルを構築(同、マイルストン2)したうえで、そのモデルと対応した心身発達の評価項目を定め、面接調査による横断的な評価を行う(開発項目2、マイルストン1)。この横断調査は、22q11.2欠失症候群の長期転帰研究を行うためのコホート標本となる(同、マイルストン2)。 調査結果にもとづき、既存の支援構造と照らし合わせた改善点を明らかにすることで、22q11.2欠失症候群を背景とした多様な障害を抱える子どもが、支援を受けながらも徐々に主体性を育み、心身ともに成長していく過程を個別に支援するための心身の統合的支援のためのエビデンスを創出する。これらを取りまとめ、1) 小児期医療から成人期医療へのトランジション支援(AYA世代支援)、2) 身体科・精神科合併症医療へのアクセス、3) 3障害合併に対応した医療・福祉・教育の統合的支援体制構築、のためのガイドラインを策定し(開発項目3、マイルストン1)、長期転帰調査の結果を元に新たな知見を積み上げて改定していくための基盤を整備する。 本研究は、22 HEART CLUB(家族会)の協力を得て施行する。また、22q11.2欠失症候群をもつ人のみならず、身体・知的・精神の複合的な障害を抱える多くのCSHCNがAYA世代を迎える上での支援へと普遍化可能な要素を抽出することによって、広く難病全体に敷衍(同、マイルストン2)可能な統合的支援のためのエビデンスを創出することを含む。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 22q11.2欠失症候群(指定難病203) | |
目標症例数 | 200 | |
登録済み症例数 | 2 | |
研究実施期間 | 2018年4月~2021年3月 | |
レジストリ名 | 22q11.2欠失症候群レジストリ | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究 | |
調査項目 | 病歴、合併症、生活歴、家族歴、生活上の困難、QOL、知能 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | https://22q-pedia.net/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;尿;唾液 | |
収集サンプル数 | 5 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 運営委員会で審議後、倫理委員会の許可を得て実施 | |
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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