項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 腸幹細胞直接誘導法を利用した難治性腸疾患病態モデルの構築 | |
研究代表者名 | 鈴木淳史 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人九州大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 難治性腸疾患全般 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 小腸や大腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍を引き起こす疾患は、その多くが発症機序不明で根治療法のない難病に指定されている。これら難治性の腸疾患は、小児から成人に至るまで幅広い年齢層の患者が罹患し、様々な合併症を引き起こす恐れもあることから、それらの病態解明と根本的な治療法の開発は急務といえる。近年、腸上皮組織の形成や維持を担う腸幹/前駆細胞の培養法が確立され、腸幹/前駆細胞が作る擬似腸上皮組織「腸上皮オルガノイド」を培養下で生きたまま解析することが可能になった。培養腸幹/前駆細胞が作る腸上皮オルガノイドは、難治性腸疾患の病態解析や治療法開発において強力なツールになると考えられる。しかし現状では、腸上皮オルガノイドの細胞源を確保することは容易ではなく、腸上皮オルガノイドを用いた腸疾患の病態解析は実験レベルを脱することができていない。一方で、最近ではある細胞に複数の遺伝子を過剰発現させることで、直接別の細胞へ変化させる「ダイレクトリプログラミング」が多くの細胞種で可能になってきた。ダイレクトリプログラミングによって比較的簡便に採取可能な細胞から腸幹/前駆細胞を誘導し、それらから腸上皮オルガノイドを作製することができれば、様々な難治性腸疾患に対する新しい病態解析ツールを開発することが可能になる。研究開発代表者らは、ダイレクトリプログラミングによる腸上皮オルガノイドの作製を目標としてこれまで研究を進めてきた。その結果、マウスの皮膚やヒトの血管の細胞に4つの転写因子を導入することで、腸上皮オルガノイド形成能を有する腸幹/前駆細胞へと変化させることに成功した。さらに、作製した誘導腸上皮オルガノイドの増殖促進法や遺伝子導入法を開発するとともに、腸管腔の閉塞障害を伴う嚢胞性線維症の病態モデルとして、その有用性も確認した。今後は、誘導腸幹/前駆細胞に遺伝子変異を導入し、得られる誘導腸上皮オルガノイドを用いた難治性腸疾患の病態モデル構築を進めていく。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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