項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 経口投与可能な卵黄由来ペプチド製剤による骨形成不全症治療法の開発に向けた基盤的研究 | |
研究代表者名 | 大庭伸介 | |
研究代表者の所属機関名 | 長崎大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 骨形成不全症 | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究 | |
研究概要 | 全身の骨脆弱性を示す難病指定希少疾患である骨形成不全症では、骨折頻度の減少を目的とした内科的治療が行われる。わが国ではビスホスホネート製剤のみが薬事承認されている。同剤は破骨細胞抑制により骨密度を増加させるが、骨代謝回転の低下による骨質低下がしばしば問題となり、骨折患者への投与は禁忌である。骨形成促進剤テリパラチドは、海外で骨形成不全症患者の骨折治癒に有効とされている。しかし、長期投与による骨肉腫発症リスクから、小児および若年成人への投与は禁忌とされ、薬事承認はされていない。したがって、骨形成不全症の内科的治療に有効かつ安全な新規治療薬の開発が望まれる。 我々は、固有のペプチド・エンジニアリング技術により、鶏卵黄加水分解物から、前駆骨芽細胞・軟骨前駆細胞増殖活性とIGF-I分泌促進活性を有する、8アミノ酸から構成されるペプチド(リプロタイト)を単離、同定した。リプロタイトをラットに経口投与すると、より小さい4アミノ酸からなる生理活性ペプチド断片(リプロタイトD2)に分解されて、小腸から吸収される。成長期ラットへのリプロタイトの経口投与は、骨伸長と骨形成を促進した。さらに、リプロタイトD2をマウス骨折モデルに経口投与すると、2週間で対照群に比して骨折治癒促進作用を示した。以上より、リプロタイトD2は、経口投与可能な新規骨形成促進剤として有望であると示唆された。 本研究では、経口投与可能な卵黄由来ペプチド製剤による骨形成不全症の内科的治療法の開発を目指し、骨形成不全症の骨脆弱性を改善する治療薬の創薬シーズとしてのリプロタイトD2の可能性を検証する。骨形成不全症モデルマウスへの投与実験により骨脆弱性の改善効果を検証するほか(第1~第2年度)、骨折モデルへの投与効果も検証する(第2~第3年度)。また、作用機序の分子生物学的検討(第1~第3年度)に加えて、薬物動態(第1~第3年度)・安全性(第1~第2年度)・毒性試験(第2~第3年度)も行い、治療薬剤としての可能性を包括的に検証する。既存薬剤と比べ、投与経路(経口投与)、安全性(食物由来)、製造コスト(低分子製剤とほぼ同等)の面で、リプロタイトD2は大きな優位性を有している。したがって、本提案で治療効果と安全性に関する有望な結果が得られれば、安全かつコンプライアンスの高い治療薬としての非臨床POCの確立へつながると期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
長崎大学 大庭伸介 shinohba-tky●umin.org |
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