項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 疾患特異的iPS細胞とモデルマウスを用いたAicardi-Goutières症候群の中枢神経系炎症病態解明と治療薬開発・発症前診断の基盤構築 | |
研究代表者名 | 西小森隆太 | |
研究代表者の所属機関名 | 久留米大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | Aicardi-Goutières症候群 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | Aicardi-Goutières症候群(AGS)は、乳児期より基底核石灰化を伴う脳症で発症し、凍瘡様皮疹、肝機能障害を合併する自己炎症性疾患である。胎内でのウイルス感染を原因とする先天性脳症に類似した病態とされ、確立した治療法は存在せず精神発達遅滞をきたす。これまで責任遺伝子としてTREX1やIFIH1を含む7遺伝子が同定されているが、何れも病態の中心はIFN-αの過剰産生であり、Ⅰ型インターフェロン症という大きな疾患概念を代表する遺伝性炎症疾患である。病態の中心は中枢神経系であり、血液より髄液中のIFN-αが高値である事、および剖検例の検討よりアストロサイトからのIFN-α産生が示唆されているが、脳組織の入手は困難であり、過剰なIFN-αの産生機序や神経系の炎症病態は未解明である。TREX1ノックアウトマウスは存在するが、自己免疫性心筋炎を発症するものの脳症は認められないなど、ヒト病態を完全に反映するわけではない。 我々は本邦で初めてAGS症例の遺伝子変異を確定し、全国調査で14症例を報告した(Rheumatology 2013&2014)。続いてAGSの新規責任遺伝子IFIH1を同定し(AJHG 2014)、IFIH1変異マウスが自己免疫疾患を発症することを報告した(Immunity 2014)。又、臨床においては治療薬の模索も行ってきた(JACI 2017)。しかし、現時点で中枢神経系でのIFN-α産生機序と炎症病態は不明であり、有効な治療法は存在しない。 本研究ではAGSに於ける中枢神経炎症の病態解明と治療法・診断法の開発を目指し、以下の3項目について研究を行う。1) 疾患特異的iPS細胞を用いた中枢神経病態の再現、病態の解明、ドラッグスクリーニング系の基盤構築、2) 世界で唯一中枢神経炎症を再現したIFIH1機能獲得型変異マウスを用いた病態解明、(3) 新生児スクリーニングへの応用を視野に入れたバイオマーカー検索。AGSの病態解明は、ウィルス感染による先天性脳症の病態解明や治療・予防への応用が期待される。更に、AGSでは多様な自己抗体産生が認められ遺伝性自己免疫疾患としての側面もある為、本研究はSLEなどの自己免疫疾患の病態解明、治療薬開発へとつながる可能性を秘めている。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 自己炎症性疾患 CAPS/106、TRAPS/108、FMF/266、MKD/267、Blau症候群/110、中條-西村症候群/268、PAPA症候群/269、A20ハプロ不全症/325、LUBAC異常症、NLRC4異常症/325、Aicardi-Goutieres症候群/325、PFAPA、CRMO/270、ADA2欠損症/325、SLC29A3異常症、COPA異常症、WDR1欠損症, TRNT1欠損症、インターロイキンⅠ受容体拮抗分子欠損症、Majeed症候群、チェルビズム、フォスフォリパーゼCγ2関連抗体欠損免疫異常症 | |
目標症例数 | 1000 | |
登録済み症例数 | 200 | |
研究実施期間 | 2017年4月〜2020年3月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;遺伝子解析研究;登録患者への情報提供;主治医への情報提供 | |
調査項目 | 性別等demographic data、遺伝子変異、臨床症状、治療歴 等 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 現在は不可。難病プラットフォームへ移行中。要検討課題と考えている。 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
久留米大学小児科、西小森隆太、rnishiko●med.kurume-u.ac.jp |
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