項目 | 内容 | |
---|---|---|
事業名 | 難治性疾患政策研究事業 | |
研究課題名 | 特発性大腿骨頭壊死症の医療水準及び患者のQOL向上に関する大規模多施設研究 | |
研究代表者名 | 菅野伸彦 | |
研究代表者の所属機関名 | 大阪大学大学院医学系研究科運動器医工学治療学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 特発性大腿骨頭壊死症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;疫学研究 | |
研究概要 | 目的:特発性大腿骨頭壊死症(ONFH)は好発年齢が青・壮年期で、股関節機能障害により労働経済学的損失を生じ、治療は長期間に及ぶことが多く医療経済学的にも問題が大きい。平成28年度に当研究班が実施した全国疫学調査では、ステロイド剤と習慣性飲酒以外に喫煙歴が30%以上にあることが明らかとなり、腎移植やSLEでのONFH発生率の低下、また女性の好発年齢の高齢化がみられ、これらの要因の解析が必要である。また、ステロイド剤投与歴や飲酒喫煙は、情報を問診に依存し、ONFHの病理標本では背景因子を特徴づけるものはなくMRIでも差異を認めない。新たな早期診断や病因特定につながる診断法も検討されるべき課題である。壊死骨再生治療成功のため、現行の診断基準をより早期診断可能なものに改良する必要がある。QOLを加味した重症度分類を整備し、診療システムを全国で標準化する必要がある。ガイドライン作成、公表し、国民に対し広く啓蒙活動を行う。 方法:1)定点モニタリングシステムの継続による疫学像の把握:世界に類を見ない大規模な疫学調査を継続することにより、本症の疫学像と記述疫学特性の経年変化を把握し、分析疫学的手法を用いて最新のONFHのリスク因子を分析する。2)精度の高い診断基準の検証: Stage 1のMRI所見の特徴や自然経過からその診断の標準化を進め、鑑別が必要な他疾患の混入を減少させる。3)重症度分類の確立とQOL評価:定点モニタリング登録時におけるQOL評価データの分析疫学的手法を用いて解析し、QOLを加味した重症度分類を確立する。4) 特発性大腿骨頭壊死症診療ガイドラインの策定と検証 期待される効果:定点モニタリング継続により、本症の記述疫学特性の経年変化を把握し、分析疫学的手法により、予防対策につながるような関連因子を見出しえる。本疾患の全国受療者数や新患発生数を正確に把握でき、厚生労働行政の施策等を考えるうえで貴重なデータを提供できる。現行の診断基準の検証により、他の股関節疾患患者が骨壊死として医療費補助が行われることを防止し、診療を担当する整形外科医の疾患の理解と標準的な診療を行う難病診療のシステム構築ができる。診療ガイドラインを整備することで病型や病期やQOL評価に基づく重症度分類から、治療法選択の標準化を図る。さらに現在の診断治療法の限界をだれでも把握でき、新規的な診断法や治療法を考案開発するのに役立つ情報を提供できる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 特発性大腿骨頭壊死症/71 | |
目標症例数 | 5000 | |
登録済み症例数 | 4600 | |
研究実施期間 | 2010年4月~2025年3月 | |
レジストリ名 | 特発性大腿骨頭壊死症定点モニタリング | |
レジストリの目的 | 患者数や患者分布の把握;疫学研究 | |
調査項目 | 患者背景、発症日、診断項目、重症度、関連因子 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
大阪大学大学院医学系研究科 運動器医工学治療学 安藤 渉 w-ando●umin.ac.jp |
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。