項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 新規AAVベクターによる肝臓をターゲットにした先天代謝異常症の遺伝子治療開発 | |
研究代表者名 | 村松一洋 | |
研究代表者の所属機関名 | 自治医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 先天代謝異常 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
研究概要 | 遺伝子治療の手法は様々であるが、安全性や治療効率の観点からはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターがよく利用されている。私達は、ドパミン合成に不具合が生じる芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症に対してAAVベクターによる遺伝子導入を図る遺伝子治療開発を進め、安全に治療を実施しとても有効な治療であることを示した。(K Kojima, et al. Brain 2019;142(2):322-333) その一方で、先天代謝異常症では肝臓が疾患の原因となるものが多い。ところが、肝臓に対しては従来のAAVベクターでは、遺伝子導入効率が十分ではなく、治療に活かすことができなかった。そこで私達は、新型のAAVベクターを開発して、肝臓に効率よく遺伝子を導入し、先天代謝異常症の遺伝子治療に活かすことを目指した。本研究開発では、主に肝臓での酵素活性不全による先天代謝異常症を対象とし、新規に開発したヒト肝細胞に効果的に遺伝子導入が可能なAAVベクターを用いた遺伝子治療法を開発するとともに、このベクターを治療用ベクターとして確立することを目指す。 先天代謝異常症は難病指定されているものが多く、頻度も数千人から数万人に1人程度と少なくない。肝臓での酵素活性不全により発症する先天代謝異常症は、酵素補充療法などの治療法が出てきた疾患も増えているが、対象疾患は限られている。また、頻回の投与が必要など日常生活に制約が生じ多額の医療費が必要、生体肝移植は侵襲が大きいなどの問題点もある。何より、有効な治療法がない疾患が多く、新たな治療法の開発が待たれている状況にある。遺伝子治療はこれらを解決できる有望な治療法となると期待される。 まず、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症から研究を開始し、遺伝子治療のPOCを得る。開発計画では、OTC欠損症に対しOTC遺伝子を挿入したAAVベクターを作製し、モデルマウスへの投与後に肝臓での発現や治療効果を検討する。 我々は、AAVベクターの使用に習熟しており、複数の神経疾患に対する遺伝子治療法開発研究の実績がある。十分な成果と治験を進める疾患が出てくることが期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
自治医科大学 村松一洋 kaz-mura●jichi.ac.jp |
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