項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対するballoon pulmonary angioplasty(BPA)の有効性と安全性に関する多施設レジストリー研究 | |
研究代表者名 | 小川久雄 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立循環器病研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 | |
研究のフェーズ | 疫学研究 | |
研究概要 | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は器質化した血栓により広範囲の肺動脈が慢性的に狭窄・閉塞し,肺高血圧症を呈する疾患であり生命予後は不良である。肺血栓内膜摘除術が国内外の施設で施行され,症状,血行動態および生命予後の改善が報告されているものの手術不能例は少なくない.近年、我が国では重症のCTEPH症例に対してBPA(balloon pulmonary angioplasty)が行われるようになり、症状、血行動態、生命予後が改善することが報告されている。今では経験を積んだ施設であれば,合併症にも適切に対処できるようになっており、BPAを施行する施設は日本でも増えており、欧米の肺高血圧治療専門施設もBPAに関心を持ち、日本から適応と手技を学んで導入が試みられている。 このように重症CTEPH患者の治療においてBPAは画期的な治療法であるが、CTEPHが希少疾患であること、日本で開発された治療法であるため多施設共同臨床試験がない。そのため、ガイドラインに記載されるだけのエビデンスが構築されていないのが現状である。日本循環器学会は2011年にCTEPH患者に対してBPAを安全かつ効果的に施行するため、日本呼吸器学会、日本心臓病学会、日本胸部外科学会と共同でBPAの適応と施行に関するステートメントを発行した。その後、日本心血管インターベンション治療学会とも協議し、BPAの指導医、実施医そして実施施設の基準を設定した。その時にBPAを施行した患者の全例登録の必要性を強調し、実施施設になるための必要条件とした。これは世界に先駆けてBPA治療のエビデンスを構築し、国際的に安全かつ効果的な治療を確立するためである。本研究はCTEPH患者に対するBPA治療の安全性と有効性を確立し、日本だけではなく世界のガイドラインに記載される臨床エビデンスを構築して、BPA治療を前進・普及させることを目的とする。そのために、日本循環器学会を中心として日本呼吸器学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本胸部外科学会が協力しデータ集積管理ツールを活用してon-line registryを行うためのシステムを国立循環器病研究センター(NCVC)において整備する。現在、国内の70施設以上でBPAが施行されてきているが、国内全体のBPA件数は本研究の班員である5施設で75%以上が行われている。このような日本におけるハイボリュームセンターを中心としてBPA患者の全例登録を行い、BPAに伴う合併症、血行動態と症状の変化そして生命予後を観察する。そしてBPA施行例の急性期及び完成期の生命予後データを過去の薬物療法群のデータと比較してBPAの安全性と有効性を明らかとする。その結果をもとにCTEPH治療の日本のガイドラインを変更し、世界のCTEPH治療のガイドラインの改定を迫るものとする。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 88 | |
目標症例数 | 1900 | |
登録済み症例数 | 300 | |
研究実施期間 | 2017年9月~2022年3月 | |
レジストリ名 | J-BPA | |
レジストリの目的 | 疫学研究 | |
調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | http://bpainfo.ncvc.go.jp/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
国立循環器病研究センター 大郷剛 Tak●ncvc.go.jp |
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