項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 内在性炎症性RNA分子による全身性エリテマトーデスの病態発症・増悪機構の解明とその機構を標的とした治療法の確立 | |
研究代表者名 | 根岸英雄 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京大学医科学研究所 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 全身性エリテマトーデス | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究 | |
研究概要 | 全身性エリテマトーデス(SLE)は難治性疾患として広く知られているものの、病態の発症・増悪機構には不明な点が多く、根治的な治療薬、治療法は確立されていない。本研究は、平成27年度採択AMED課題[免疫活性化分子の標的薬剤による全身性エリテマトーデス、多発性硬化症の病態抑制機構の解明と治療法の確立]の継続課題であり、その中で見出された興味深い発見である、炎症を誘発する内在性のRNA(炎症性RNA)について、さらに研究開発を推進するものである。 前課題において、我々は独自の低分子化合物(化合物KN69:未発表)の標的分子としてある種の内在性RNAの解析を通じて、SLE発症・増悪の原因の一端を解明したが、その中で、その標的RNAに代表される内在性の炎症性RNA群の存在やその放出現象、それらに対する応答に関する新しい知見を得た事により、革新的な治療薬開発の道筋が見えてきた。そのため、本研究では前課題で得た成果をフル活用するとともに、申請者が参画する他の課題で得られる知見すら統合し、独自の低分子化合物やピロールイミダゾールポリアミド(PIPA)を用いた応用に直結する方法論の元で、炎症性RNAがSLE病態を発症・増悪する機構を徹底的に解明する。これによって、薬剤開発の基盤構築、候補薬剤の単離とそれによる治療ストラテジーをマウスレベルで確立し、関連特許の出願および企業との共同研究開発契約の締結を目標として推進する。 炎症性RNAは前課題の新しい発見であり、それを抑制する独自の化合物KN69の薬効によって重要性が裏付けられている。また、我々は興和株式会社と薬剤開発研究を行った経緯があり、その成果である薬剤候補化合物の提供を受けることができる状況にある。さらに、株式会社ハイペップ研究所のPIPAは凡用性が高く、新規分子を標的とした薬剤開発に最適である。このように本開発研究は独自の革新的な化合物や基礎的発見を基軸にした開発研究であるため、類似または競合研究のない独創性の高いものであり、さらに万全の準備状況で推進する継続課題であるため、実現性も高いと言える。また、長年、その存在が予想されていた内在性炎症性RNAという疾患の根本になる可能性がある分子と、それに関わる機構を標的とすることから、根治に繋がる画期的な薬剤の開発が期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
東京大学 医科学研究所 根岸英雄 hnegishi●ims.u-tokyo.ac.jp |
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