項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | リボソームの機能改善を目指した筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新規治療法の開発 | |
研究代表者名 | 長野清一 | |
研究代表者の所属機関名 | 大阪大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 筋萎縮性側索硬化症 | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究;非臨床試験 | |
研究概要 | 筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動神経の変性により全身の筋力低下を生じる致死的神経変性疾患であり、リルゾールやエダラボンといった保険適応薬はあるものの、根本的治療薬剤は未だ開発されていない。 孤発性、家族性を含む大部分のALSではRNA結合蛋白質TDP-43の細胞内局在変化・異常沈着が知られている。我々はTDP-43が持つmRNAの軸索輸送機能がALSでは障害され病態に関与すると考え、TDP-43による軸索輸送標的として複数のリボソーム蛋白質(Rp)mRNAを同定した。ALS患者の運動神経軸索ではこれらRp mRNAが減少しており、各Rp、特にその1つであるRpl26の過剰発現によりTDP-43発現低下培養神経細胞の変性が抑制されることを報告した(Nagano et al. Acta Neuropathol 2020、特許登録済)。TDP-43を介した神経毒性に対するRpl26の保護効果はTDP-43過剰発現ショウジョウバエでの複眼変性に対してもみられている。このことはRpl26の発現上昇がALSの治療に有用である可能性を示唆している。 そこで本研究では中枢神経でのRpl26の発現上昇によりTDP-43に関連したALSの病態を抑制することができるかをALSモデルマウスを用いて検証する。まずRpl26の発現を増加させるアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを構築・作成し、各カプシド型、発現モジュールによるRpl26発現上昇および神経変性抑制効果を培養神経細胞を用いて検討し、その効果の高いコンストラクトを複数選択する。次にこれらのAAVベクターを複数の経路でそれぞれ野生型マウスに投与し、運動神経でのRpl26発現上昇効率の高い投与経路および用量を設定する。この条件を用いてALSモデルであるTDP-43過剰発現マウスにAAVベクターを投与し、運動麻痺の発症あるいは寿命に対する保護効果を解析する。本研究によりAAVベクターの1回のみの投与でALSを治療することができれば、高いコンプライアンスで長期的効果を維持でき医療費の抑制にもつながる。すでに複数のRpl26発現AAVベクターおよびTDP-43過剰発現マウスは準備済みであり、また他研究でALSモデルマウスのAAVベクター治療解析経験のある本研究組織で解析を進めることにより、ALSに対する迅速なPOC取得、臨床試験への移行ができる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;髄液 | |
収集サンプル数 | 300 | |
生体試料の登録例数 | 200 | |
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | ||
全エキソーム解析済み症例数 | ||
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
大阪大学大学院医学系研究科神経難病認知症探索治療学 長野清一 nagano●neurol.med.osaka-u.ac.jp |
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