項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | ファロー四徴症の根治治療を可能にする血管パッチの開発 | |
研究代表者名 | 石川義弘 | |
研究代表者の所属機関名 | 横浜市立大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | ファロー四徴症 | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究;非臨床試験 | |
研究概要 | 本申請では、ヒト由来の筋芽細胞をファロー四徴症の手術材料として開発する。筋芽細胞は、昨年実用化された重症心不全用ハートシートRの原料にも使用されている。ハートシートは薄い膜であり手術材料(血管パッチ)には不適であるが、我々は細胞に周期加圧を加えることにより、耐性強度に卓越する血管パッチを作製する技術を開発した。本申請では、我々の加圧技術を筋芽細胞に応用する。 ファロー四徴症は、新生児3600人に1人の頻度で出現する古典的な先天性心疾患である。心室中壁欠損・大動脈騎乗・肺動脈狭窄・右室肥大を4特徴とするが、肺動脈の狭窄が予後やチアノーゼ出現を決定する。治療は外科手術であり、有名なブラロック・タウジッヒ手術は、新生児に行われる姑息術である。根治術は、心室中壁欠損の閉鎖と肺動脈狭窄の解除であり、ゴアテックスなど人工材料パッチが用いられる。手術の初期成績は良好だが、人工材料は成長しないので、患児の身体発育によって再狭窄が出現する。このため再手術が問題となる。生体材料は強度や免疫拒絶のため開発が進んでいない。 我々は医工連携により、旧来の重層細胞培養に周期加圧を加えることにより、強度や進展性に卓越した人工血管を作製する技術を開発した(特願・PCT出願済、指定国移行手続き中)。周期的、かつ高加圧により、細胞外基質と骨格成分の遺伝子発現が著増するのが理由である。先行実験では、血管平滑筋細胞由来の手術材料を作製し、ラット大動脈に対してパッチ閉鎖術および大動脈置換術の何れでも、優れた耐圧性と長期生存性を証明した。予備検討では、周期加圧を行うことにより、筋芽細胞においても重層培養が可能になり、細胞強度が増す事を確認している。 本申請では、我々の開発した人工血管作製(周期加圧)技術を、すでに臨床承認済のヒト筋芽細胞に適用し、ファロー四徴症の根治手術で問題となっている血管パッチとして開発する。血管パッチは周期加圧により耐圧強度が形成される。患児の筋芽細胞を使用するため、免疫拒絶を回避でき、患児の発育と共に成長し、再手術が不要となると考えられる。筋芽細胞の採取と分離では、セルシートRの開発者である大学と企業の協力を、加圧装置開発にあたっては大学工学部と空圧装置メーカーの協力を得る。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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