項目 | 内容 | |
---|---|---|
事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | ゲノム編集技術を用いた希少難治性神経発達障害の原因遺伝子変異ノックインマウスモデルの確立およびその解析による病態解明と新規治療薬探索 | |
研究代表者名 | 才津浩智 | |
研究代表者の所属機関名 | 浜松医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 大田原症候群、ウエスト症候群、早期発症てんかん性脳症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究 | |
研究概要 | 本研究では、希少難治性神経発達障害の4つの原因遺伝子のヒト変異ノックイン疾患モデルマウスを確立し、病態解明と新規治療薬探索を行うことを目標としている。本発表では、シナプス可塑性に重要なCa2+依存性セリン・スレオニンキナーゼ(CaMKII)のαおよびβサブユニットをコードするCAMK2A, CAMK2B変異に関する研究成果を報告する。変異は全てCaMKIIキナーゼ活性の自己抑制に関与するドメインに集中しており、変異による自己抑制障害が原因と考えられる。Ca2+/カルモジュリンの結合により自己抑制が解除された後にThr286/287の自己リン酸化が起こるが、CAMK2Aのp.P212QとCAMK2Bのp.P213L変異体の一過性発現では共通してThr286/287のリン酸化の亢進が認められた。Camk2a P212QおよびCamk2b P213Lノックインマウスにおいても、リン酸化CaMKII/総CaMKIIの割合は常に増加していたため、自己抑制障害があると結論づけられた。しかしながら、総CaMKIIは週齢を経るにつれて減少しており、何らかのフィードバックにより発現量が低下すると考えられる。Camk2aP212Q変異マウスでは、スパイン形態の異常、神経細胞死など、知的障害を説明しうる所見が得られた。Camk2bP213L変異ノックインマウスでは患者と同様な小脳症状(失調歩行)が2週齢より認められており、疾患モデルとして有用と考えられた。また、自己抑制を安定化させる新規治療薬の探索を目的として、医薬品開発支援の分子シミュレーションシステムであるmyPrestoを用いて、低分子化合物ライブラリ(200万種)と承認済薬剤ライブラリ(1万7000種)の中から、 CaMKIIの自己抑制コンフォメーションにおける立体構造上の2つのポケットに結合する化合物をin silico スクリーニングし、候補化合物をそれぞれ抽出した。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。