項目 | 内容 | |
---|---|---|
事業名 | 難治性疾患政策研究事業 | |
研究課題名 | 痙攣性発声障害疾患レジストリ開発と運用に関する研究 | |
研究代表者名 | 讃岐徹治 | |
研究代表者の所属機関名 | 名古屋市立大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 痙攣性発声障害 | |
研究のフェーズ | 疫学研究 | |
研究概要 | 本研究は、痙攣性発声障害診断基準と重症度分類の臨床活用を目指し、患者数、患者分布の把握、その他疾患に関するデータ収集が可能な疾患レジストリの構築と実用を目的とする。 本疾患は、内喉頭筋の不随意収縮により発話における音声の異常をきたす原因不明で根本治療のない稀少難治性疾患である。内転型、外転型および混合型に分類され、内転型が多数を占める。いずれの型においても仕事や日常生活において会話が円滑に行えず、社会生活で大きな支障をきたす。 申請者らは平成25年度「痙攣性発声障害の全国疫学調査」(難治性疾患克服研究事業)を実施し、調査2年間に887例の新規患者が存在し、罹病期間は平均3年であったが、10年以上の例も約20%存在し、大都市で患者数0とする県もあったことから、診断の難しさと認識が乏しいことが確認された。 平成27年度「痙攣性発声障害の診断基準および重症度分類の策定に関する研究」(難治性疾患政策研究事業)に取り組み、世界に先駆けて診断基準および重症度分類を策定し平成29年度学会の承認を得た。 症状軽減治療としてA型ボツリヌス毒素が有効とされるが、薬事未承認であることから平成25年より「痙攣性発声障害に対するA型ボツリヌス毒素の甲状披裂筋/後輪状披裂筋内局所注入療法の有効性と安全性に関する研究」(臨床研究・治験推進研究事業)の医師主導治験を実施し、平成30年5月23日に薬事承認が得られた。 内転型痙攣性発声障害に対する外科治療として、チタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術2型が本邦で開発された。実用化を目指し平成26年度より「内転型痙攣性発声障害に対するチタンブリッジを用いた甲状軟骨形成術2型の効果に関する研究」(難治性疾患実用化研究事業)で医師主導治験を実施した。チタンブリッジは、先駆け審査指定制度指定品目に指定され平成29年12月に先駆け審査指定制度指定としてはじめて薬事承認された。関連研究として病態解明、国際共同臨床試験準備や診断方法の開発に向けた研究を進めており、痙攣性発声障害の克服を目指して研究成果が生まれつつある。 これらの成果を社会実装するとともに疾患の克服を推し進めるため、研究期間内に発声障害の専門家と疫学・統計学の専門家で世界に先駆けて国際疾患レジストリを完成し運用を行い、病態解明・診断方法開発研究との連携ならびに治療法の普及を推進する。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | ||
目標症例数 | 1000 | |
登録済み症例数 | 5 | |
研究実施期間 | 2019年5月から2021年3月 | |
レジストリ名 | 痙攣性発声障害患者レジストリ | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験対照群としての活用 | |
調査項目 | 1) 生年月(又は同意取得時年齢)、性別 2) 居住地・出生地 3) 診断名、(指定難病患者の認定の有無:2018年度は未) 4) 発症年月、診断日 5) 診療医療機関名、診療科 6) EQ-5D-5L 7) 家族歴 8) 妊娠・出産情報 9) 社会保障、介護認定、介護度 10) 最終学歴 11) 就業の有無、声をよく使う職業の有無 12) 痙攣性発声障害に対する診断基準、重症度分類(「痙攣性発声障害 診断基準および重症度分類」による) 13) GRBAS尺度 14) 痙攣性発声障害に関連する合併症・既往歴 15) 痙攣性発声障害に関連する手術名と手術実施日 16) ボツリヌストキシンA型毒素の注入歴(予定を含む)の有無、有の場合は使用目的(痙攣性発声障害の治療、その他) 17) 患者音声の有無 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 音声言語医学会の痙攣性発声障害疾患レジストリ小委員会で検討 | |
レジストリURL | http://www.rssd.umin.jp | |
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
名古屋市立大学大学院医学研究科、讃岐徹治、otostl●gmail.com |
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。