項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 進行性骨化性線維異形成症における免疫反応に着目した異所性骨化メカニズム解明 | |
研究代表者名 | 寺島明日香 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人 東京大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 進行性骨化性線維異形成症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia Ossificans Progressiva, FOP)は、骨格筋、腱、筋膜などの軟組織で、異所性骨化が起きる先天性遺伝子疾患である。発症率は全世界で約200万人に1人、日本国内でも、約80名のFOP患者がいると推定される。FOPでは1) 筋肉内注射、打撲、外科手術といった外傷、ウイルス感染が骨化を誘発し、2) 免疫抑制剤によって新たな骨化が抑制されたという報告から、免疫反応が骨化と関連していると予想されるものの、詳細は不明である。FOPの原因遺伝子としてBMPのI型受容体をコードするACVR1変異が同定された後、ACVR1とそのリガンド、BMPファミリーの研究が盛んであった。しかし、骨化に先行する外傷やリガンドの産生機構は詳しい解析がなされていない。FOP変異の1つであるACVR1R206H特異的リガンドスクリーニングによりactivin Aが報告された。興味深いことに野生型ACVR1はactivin Aのシグナルを通さないが、変異型ACVR1はactivin Aに反応して骨化を誘導する。この報告から、activin Aの発現制御メカニズム、異所性骨化への寄与を解析することで免疫系により制御されるFOP病態分子機構解明、並びにFOPの包括的理解ができると考えた。FOPは希少疾患なため症例数が少なく、病変部の侵襲的な解析は禁忌である。病態解明には、FOP病態モデルマウスの確立が喫緊の課題と言える。そこで項目1にて、「新規FOPマウスモデルの確立」と「骨化部位に集積する細胞の同定」を行う。ヒトFOP病態をミミックするモデルの利用で異所性骨化に先行する生体反応を明らかにする。項目2では、activin Aレポーターマウスを樹立、外傷で誘導されるactivin A産生細胞の同定とactivin Aの産生メカニズムの解明に挑む。項目3では、項目1、2で明らかにしたactivin A産生経路阻害薬剤スクリーニングを東京大学ドラッグリダイレクションプログラムの利用により遂行する。標的に関する毒性、体内動態の知見が既に揃っている薬剤ライブラリから選定することで最短で臨床応用に結びつける。本課題は、異所性骨化抑制効果を発揮する創薬ターゲットの提案だけではなく、FOP病態誘導機序を明らかにし、新たな治療法の開発基盤となる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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