項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 抗ADAMTS13阻害抗体による後天性von Willebrand症候群の治療法の開発 | |
研究代表者名 | 松本雅則 | |
研究代表者の所属機関名 | 奈良県立医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 後天性 von Willebrand症候群 | |
研究のフェーズ | 非臨床試験 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | von Willebrand因子(VWF)は血液中の止血因子で、血管内皮細胞下のコラーゲンや血小板と結合することで止血の初期相で重要な働きをする。VWFの機能はその分子量に比例し、大きければ大きいほどVWFの機能が強いことが知られている。VWFは主として血管内皮細胞から分泌されるが、分泌直後は非常に大きな分子量で、VWF切断酵素であるADAMTS13により切断され、適度な大きさの分子量のVWFが血液中に存在することになる。ADAMTS13活性が著減すると、全身の微小血管に血栓が生じ致死的となる血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が発症する。 これとは逆に、VWFの量や機能が低下する先天性疾患がvon Willebrand病(VWD)であり、出血症状が出現する。後天的にもVWDと同様の病態となることが知られており、後天性von Willebrand症候群(AVWS)と呼ばれている。AVWSにも様々な原因があるが、その一つがADAMTS13のVWF過剰切断であり、原因として過剰な高ずり応力が発生することが知られている。大動脈弁狭窄症(AS)などの弁膜症や体外式膜型人工肺(ECMO)、経皮的心肺補助(PCPS)、植込型補助人工心臓(LVAD)などの機械的補助循環によって非生理的な高ずり応力が発生し、ADAMTS13によりVWFが過剰に切断され、2A型VWDと同様の病態で出血症状を引き起こす。 現在は根本的な治療法がなく、補充療法でのみ対処しているADAMTS13過剰切断によるAVWSに対する新たな治療法を開発することを本研究の目的とする。我々は ADAMTS13活性阻害抗体を2005年頃に作成し、その抗体をヒト化することに成功した。その抗体を製剤化するために非臨床試験を本研究で実施している。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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