項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 先天性腎性尿崩症と分類不能型免疫不全症に共通するLRBA依存性膜輸送機構 | |
研究代表者名 | 安藤史顕 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京科学大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | LRBA欠損症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | バゾプレシン/cAMP/Protein Kinase A (PKA) シグナルは、体内の水恒常性維持を担うAQP2水チャネルを活性化し、腎臓集合管において尿を濃縮する。先天性腎性尿崩症は、バゾプレシン2型受容体の機能喪失型変異によりバゾプレシン刺激へ不応性となり、多尿をきたす疾患である。申請者は先天性腎性尿崩症治療薬の開発を進め、cAMPを介さずにPKA/AQP2を直接的に活性化する低分子化合物FMP-API-1/27を発見した。FMP-API-1/27には、PKAとPKAのアンカータンパクであるA-kinase anchoring proteins (AKAPs)との結合を阻害する作用がある。PKAはユビキタスに発現しているが、50種類以上のAKAPsと4種類のPKAサブユニットの結合の組み合わせは臓器・細胞により異なる。そこで、腎臓集合管に発現する全てのAKAPs-PKA結合の組み合わせを免疫沈降法により評価し、FMP-API-1/27がLRBAとPKA-RII subunitとの結合を特異的に阻害していることを明らかにした。 LRBAはT細胞の活性調節に必要なCTLA4受容体に結合しCTLA4のvesicle recyclingを制御している。LRBAは分類不能型免疫不全症の原因遺伝子として報告されており、病的変異によりLRBAタンパクが不安定化しLRBAが欠乏すると、CTLA4の膜輸送が障害され自己免疫性腸炎・自己免疫性血球減少・低ガンマグロブリン血症・リンパ増殖症などの臨床像を引き起こす。免疫学分野におけるLRBA研究の進展を困難にしている要因として、Lrbaノックアウトマウスにはヒトと異なり免疫不全の表現型が存在せず、生体内のLRBA機能を詳細に解析できないことが知られている。 我々は、AQP2のvesicle recycling機構にLRBAが必須であり、LrbaノックアウトマウスにおいてはAQP2が細胞膜へ輸送されず多尿になることを明らかにした。そこで、本研究においては、先天性腎性尿崩症と免疫不全症に共通する膜輸送機構とその破綻病態を解明する。LRBAによる水・体液恒常性維持機構を明らかにし、その知見をLRBA欠損症の治療法開発へ応用する。 | |
レジストリ情報 | ||
レジストリ名 | LRBA欠損症に合併する腎機能障害に関する多施設共同後ろ向き観察研究 | |
対象疾患/指定難病告示番号 | LRBA欠損症 | |
目標症例数 | 50 例 | |
登録済み症例数 | 23 例 | |
研究実施期間 | 2023年7月~2028年12月 | |
関連学会との連携の有無 | なし | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;バイオマーカーの探索;新規表現型の解明 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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