項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 早老症ウェルナー症候群レジストリに基づく長期経年データ蓄積によるエビデンスの創生および診療への発展 | |
研究代表者名 | 横手幸太郎 | |
研究代表者の所属機関名 | 千葉大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | ウェルナー症候群 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 【研究の背景・必要性】 ウェルナー症候群(WS)は思春期以降に発症し、悪性腫瘍や動脈硬化のため50代で死亡するとされている遺伝的早老症である。新しい代謝疾患治療薬、悪性腫瘍の早期発見治療が奏功し、生命予後が改善傾向にあることが全国調査により示唆された。しかし根本治療法は未確立のため、難治性皮膚潰瘍により感染や下肢切断を高率に併発する。また寿命延長に伴い悪性腫瘍の増加、誤嚥性肺炎、腎機能の悪化、誤嚥性肺炎など、新たな課題を生じている。2014年に全国疫学調査を行い、新規確定症例116名、疑い症例51名、過去通院確定症例153名を把握し、総計320名の患者の存在を明らかにした。2016年より我々は症例登録システム(レジストリ)を構築し、32施設が参加、51症例が登録されている。 【目的・ねらい】 WSは、2015年に難病指定され、ヒトの老化メカニズムの鍵を握るモデル病態とされており、この病態解明が一般老化の解明につながると考えられる。しかしWSには、好適なマウスモデルが存在せず、病態解析における支障となっている。このため、ヒト患者の検体に立脚した研究の重要性が高い疾患である。本我が国におけるWSの実態把握は未だ十分ではないため、レジストリの登録症例データをもとに、WS診療に関わるクリニカルクエスチョンを解決し、診療ガイドライン改訂に資する、診療に直結するエビデンスの創出を目的として、疾患プロファイル・自然歴情報を取得し、全国規模での症例フォローアップを通じて疾患予後を把握可能なレジストリを運営している。研究のねらいとして、すでに確立している「レジストリの充実(拡充と深化)」、レジストリデータを用いた「解析」、「より良い診療につながる方法の提案」、「診療ガイドラインの改良」、「レジストリ登録症例の協力による臨床研究/治験の推進」、レポジトリとして「患者検体に基づくiPS細胞研究」を行う。さらに指定難病の普及・啓発に向けた包括的研究など他の研究班とも連携を行なう。これにより症例や検体を用いた病態解明および治療法開発を目指し、難病診療の質の向上を実現させる。 【特色・独創性】 これまで難治性疾患政策研究事業により、25年ぶりのWS診断基準改訂と世界初の和文、英文の診療ガイドライン作成および改訂を成し遂げており、本研究課題のレジストリの成果をそのまま改訂作業に活用し、診療の質向上と患者の予後改善に貢献することができる。すでに全国調査により705症例の患者情報を捕捉(既死亡例を含む)、患者を診療する国内医療機関とネットワークを築いており、その基盤を活かしてレジストリの運営、更なる登録患者数の増加を実現できる。 【類似研究・競合に対する有意点・国際的に見た研究の立ち位置】 日本の推定WS患者数は、世界の報告の6割を占め、我が国の有病率が著しく高く、我が国以外で研究遂行は困難である。 【本研究課題終了時に期待される成果】 診療に直結するエビデンス創出研究分野に繋がり、診療ガイドラインの改訂が期待でき、希少難治性疾患の克服を目指す。 【将来展望】 今後の展望と可能性として、悉皆性を高めるため、引き続き登録症例数の増加をはかり、レジストリ縦断解析、遺伝子と発現系と関係の解析を行い、患者データの精度向上と有効活用、医療体制の整備を進めるとともに、本レジストリを活用し、ウェルナー症候群患者由来のiPS細胞を用いた基礎的研究などを通じて、本症および一般的な老化のメカニズムの解明にも取り組む。本研究の成果を通じて日本のWSの疾患プロファイル・自然歴・予後を継続的に調査し、患者データの精度向上と有効活用、医療体制の整備を実現できる。適切な診療を享受できていない患者を救い出すとともに、診療の質向上を通じて患者の予後改善と社会復帰を支援することができる。さらに新たな治療法開発のための臨床試験への患者紹介のためのペーシェントパネルとして活用する。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
対象疾患/指定難病告示番号 | ウェルナー症候群/191 | |
目標症例数 | 200 例 | |
登録済み症例数 | 54 例 | |
研究実施期間 | 2023年4月~2026年3月 | |
レジストリ名 | ウェルナー症候群レジストリ | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;試料採取;バイオマーカーの探索;登録患者への情報提供;主治医への情報提供 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 共同研究として検討する可能性あり | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | https://www.m.chiba-u.jp/dept/clin-cellbiol/werner/registry/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;組織 | |
生体試料の登録例数 | 21 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 共同研究として検討の可能性あり | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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