項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | CAG/CTGリピート伸長病におけるDNA標的治療薬の開発 | |
研究代表者名 | 塩田倫史 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人熊本大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | CAG/CTG(CWG)リピート伸長病【ハンチントン病、家族性脊髄小脳変性症(脊髄小脳失調症1、2、3、6、7、17型、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、球脊髄性筋萎縮症)、筋強直性ジストロフィー1型】 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究 | |
研究概要 | 難治性神経・筋疾患の遺伝子変異の特徴として、数塩基繰り返し配列の異常伸長が病因となる「リピート伸長病」が多いことが挙げられる。ハンチントン病(HD)をはじめとした翻訳領域リピート伸長病は、伸長したポリグルタミン(PolyQ)が異常タンパク質として細胞内に凝集し、神経毒性を呈する。非翻訳領域リピート伸長病についてはCTGリピート伸長による筋強直性ジストロフィー1型(DM1)の発症頻度が高く、CUGリピートRNAがRNA凝集体を形成しRNA代謝に異常をきたす。加えて、リピート伸長RNAによるリピート関連非AUG翻訳(RAN翻訳)により細胞死を誘発することも知られる。このように、CAG/CTG(CWG)リピート伸長病の発症メカニズムは極めて複雑・多様であることが創薬研究の大きなハードルとなっており、治療薬は皆無である。 申請者らが創出した「環状ピロール-イミダゾールポリアミド(CWG-cPIP)」はCWGリピートDNAと高親和性の化合物であり、ドラッグデリバリーシステム不要で優れた核内移行性を有する。細胞毒性も極めて低く、有意なオフターゲット効果も見られない。さらに、CWG-cPIPはリピート長依存的・配列特異的にDNAに対して高い結合能を示すため、DNA翻訳・非翻訳領域リピート伸長病の双方に対して上述の発症メカニズムを抑制でき、汎用性も高い。 本研究では、CWGリピート伸長病として翻訳領域リピート伸長病と非翻訳領域リピート伸長病をそれぞれ代表するHDとDM1を対象に、以下の項目でCWG-cPIPの薬効を評価し、非臨床POCの取得を目指す。 (1) CWG-cPIPのターゲット結合能に関する物理化学的解析 (in vitro検証) (2) CWG-cPIPのPolyQおよびRNA凝集体の発現抑制解析 (患者iPS細胞由来神経筋細胞での検証) (3) CWG-cPIPによるマウス個体における病態改善作用の薬効解析 (疾患モデルマウスでの検証) リピート伸長病に対しCWGリピートDNAに着目する創薬研究は国内外を通じて本研究グループのみの取り組みである。CWG-cPIPはこれまでのアンチセンス核酸の課題(オフターゲット効果・細胞内移行性)をクリアできる有望な候補薬である。これまでの候補薬が達成できなかった疾患アレル特異的作用を期待できることも本研究の独創性・優位性である。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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