項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 遺伝的背景改善による発達障害に対する根治的治療法の基盤技術開発 | |
研究代表者名 | 鈴木啓一郎 | |
研究代表者の所属機関名 | 大阪大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 発達障害 (レット症候群) | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究;非臨床試験;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 本研究開発は、疾患原因変異を直接修復することが可能な唯一無二のゲノム編集技術を用いて、これまで問題となっていた「量」的なリスクを排除した発達障害の根治的遺伝子治療法の開発を目的とする。具体的には、研究代表者・鈴木が開発したゲノム編集技術「HITI法」を用いて発達障害モデルマウスの変異を生体内で修復し、治療効果の検証並びに安全性の検討を行う。本技術は生体内において疾患原因変異を直接的に本来の正常な配列に修復するため、「量」的なリスクを完全に排除することができる手法である。さらに、発達障害の早期発見、早期治療を目指して、早期バイオマーカーの探索も行う。 本研究課題では、主に下記の研究成果が得られた。 研究目的1: レット症候群モデルマウス治療用ベクターの作製及び治療評価 レット症候群患者で頻度の高い遺伝子変異を有するマウスを作製し、表現型を確認したところ、ヒトに類似した表現型を示すことが明らかになり、レット症候群のモデル動物を確立した。HITI法を用いたゲノム治療用アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを複数作製し、原因遺伝子変異の遺伝子編集能を細胞内で評価することで治療に最も適した治療用ベクターを同定した。現在、レット症候群モデルマウスに治療用ベクターを投与し、ゲノム編集治療効果の評価をしている段階であるが、マウスの体重や行動試験において治療効果が得られている。 研究目的2: 発達障害早期バイオマーカーの探索 発達障害の早期診断を可能とするバイオマーカーの同定を目的に、レット症候群患者を含む複数の発達障害患者43名の末梢血を採取し、RNAseq解析を行なった。その結果、それぞれの疾患に対して複数のバイオマーカー候補遺伝子の同定に成功した。簡易的な検査項目として用いられるこれらバイオマーカーを用いることで、将来、新生児・乳児診断時の検査項目に加えることができ、疾患の早期発見が可能となる。 本基盤技術を応用することで、レット症候群に限定されない様々な遺伝子異常による発達障害における「生涯治療効果が持続する根治療法」の確立が期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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