項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 原発性免疫不全症の診断率向上に向けたCD45陽性細胞を用いたマルチオミックス解析の開発 | |
研究代表者名 | 岡田賢 | |
研究代表者の所属機関名 | 広島大学大学院医系科学研究科 小児科学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 原発性免疫不全症 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 対象疾患とする原発性免疫不全症(PID)は1万あたり1人程度の稀少遺伝性疾患であり、宿主免疫の障害に基づき、様々な重症度の感染症、自己免疫疾患を引き起こす。過去に400を超える責任遺伝子が同定され、それらに基づき病態解明が行われてきた。その結果、責任遺伝子の同定は、PID患者の診断確定に寄与するのみならず、治療法の選択、予後の推定に重要な役割を果たす時代となった。 申請者らは、PID患者から得たWESデータを国内外の共同研究施設で共有し、その解析手法の改良により、有害変異の同定率を5.9%向上させてきた(AMED 2017年採択課題)。さらに、末梢血単核球に対するマルチオミックス解析の導入により、有害変異の同定率を7.4%向上させることに成功している(AMED 2020年採択課題)。一連の解析から、免疫系遺伝子の半数以上はmRNAとタンパクの発現量に不一致があることが判明し、更なる診断率向上にはプロテオーム解析の拡充が必要と判断した。先行研究により、赤血球や血漿成分(アルブミンなど)の混入が、プロテオーム解析の網羅性に多大な影響を及ぼすことが判明している。そこで、純化した免疫系細胞を対象としたプロテオーム解析を主軸とする本課題を計画した。 本研究では、網羅的ゲノム解析で未診断のPID患者の末梢血から白血球共通抗原(CD45)陽性細胞を純化し、新規開発のターゲットRNAシーケンス(PID既知遺伝子を含む585遺伝子を搭載)と、最新の測定機器を駆使したプロテオーム解析を実施する。これらの解析で未診断のPID患者では、全ゲノム解析を実施する。マルチオミックス解析データとゲノムデータを統合的に解析することで、従来のゲノム解析で検出困難な有害変異(イントロン変異、プロモーター領域の変異、GC rich領域の変異、ゲノムの構造異常など)の検出を実現する。さらに家系解析、変異の機能解析により同定した変異の病的意義を明確化し、正確な情報に基づく診断の確定、有害変異同定率の検証を行う。本研究によりPID患者の診断率向上と、ゲノム解析とRNA・タンパク解析のペア解析の有用性の検証が期待できる。これらの結果を総括し、難治性疾患政策研究事業の研究班に対して、PID診療ガイドラインの改定(特に診断フローチャートの改定)に資するエビデンスとして示す。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
対象疾患/指定難病告示番号 | 原発性免疫不全症/65 | |
目標症例数 | 60 例 | |
登録済み症例数 | 20 例 | |
研究実施期間 | 2023年4月~2026年3月 | |
レジストリ名 | PIDJ2 | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;試料採取;遺伝子解析研究 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | あり | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 「可」 日本免疫不全・自己免疫学会(JSIAD)での承認を受けてから提唱する | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;RNA | |
生体試料の登録例数 | 20症例 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 論文報告の後に受け入れ可とする | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
岡田 賢 |
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