項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 高安動脈炎のおける血管合併症バイオマーカーの開発に向けたエビデンス創出研究 | |
研究代表者名 | 中岡良和 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立循環器病研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 高安動脈炎、巨細胞性動脈炎 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 高安動脈炎 (TAK) と巨細胞性動脈炎は、大動脈とその主要分枝に病変を生じる大型血管炎に分類される指定難病である。遺伝的要因を背景に環境要因が引き金となり発症するとされているが病態は不明である。我々は治療抵抗性TAKに対する抗IL-6受容体抗体トシリズマブの有効性を報告し、この結果からトシリズマブはTAKに薬事承認された。IL-6阻害療法は有効であるが、CRP等の既存の疾患活動性マーカーが陰性化し病勢評価に使えない問題点があり、IL-6阻害療法下でも疾患活動性を反映し、大動脈瘤など血管合併症の発症を予測できる新規バイオマーカーが望まれている。 我々はTAK患者の腸内細菌叢16S rRNAメタゲノム解析を行い、腸内細菌叢変容があること、特定の口腔内菌の腸内での増加が大動脈瘤の増悪と関連することを世界に先がけて見出した。本研究開発提案では、研究代表者が分科会長を務める厚生労働省政策班の参加施設と共同してTAK患者の腸内細菌叢を解析し、腸内細菌叢の血管合併症予測バイオマーカーとしてのエビデンスを確立することを主目的とする。解決するクリニカルクエスチョンは、1. TAK患者の糞便中の特定の口内細菌は大動脈瘤の形成・増悪のバイオマーカーとなるか、2. 口腔内における細菌叢変容や口腔内衛生環境が血管合併症の発生と関連するか、3. 細菌叢変容と関連する血液バイオマーカーはないか、4. プロトンポンプ阻害剤内服による医原性の腸内細菌叢変容が大動脈瘤形成に関わる可能性はないか、の4項目を設定する。全国の参加施設から糞便検体を集積し、16S rRNA解析(一部フルメタゲノム解析)により腸内細菌叢を網羅的に解析し、大動脈瘤合併をはじめとした臨床情報との関係を解析する。登録患者を追跡し血管合併症の発生の有無をフォローする。さらに、唾液・歯垢のメタゲノム解析や口腔検査も実施し、腸内細菌叢や臨床パラメーターとの関係を解析する。登録患者の血液検体を用いたサイトカイン・プロテオーム解析結果と細菌叢解析や臨床情報と統合解析し、血管合併症を予測するバイオマーカー開発を目指す。巨細胞性動脈炎も併せて解析して、TAKとの異同を検討する。本研究開発で創出されたエビデンスは、TAK患者で大動脈瘤などの血管合併症ハイリスク患者を同定し、治療強化や密な画像検査により大動脈瘤を予防・早期発見し、予後改善に繋がると期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;細胞;便 | |
生体試料の登録例数 | 300 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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