項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 肺動脈性肺高血圧症の重症化の鍵となる炎症関連転写因子を標的とした革新的治療法・診断法の開発 | |
研究代表者名 | 中岡良和 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立循環器病研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 肺動脈性肺高血圧症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary Arterial Hypertension: PAH)は、肺動脈に原因不明の血管リモデリング(狭窄や閉塞)を来たして肺動脈圧の上昇から右心不全に至る可能性のある予後不良の厚生労働省指定難病である。PAH治療薬に抵抗性を示す患者の予後は悪く、現在の肺血管拡張薬と異なる分子機序に基づく新しい治療薬の開発に対するunmet medical needsが存在する。 研究開発代表者らは、炎症を制御する転写因子の一つ、芳香族炭化水素受容体(Aryl Hydrocarbon Receptor: AHR)に着目し、AHRがPAHの重症化の鍵となることを世界で初めて見出した。即ち、①AHRの活性化は、ヒトPAH病態と同様の重症PAH病態の形成を誘導し、②AHRのノックアウトラットではPAH病態がほぼ完全に抑制され、AHRの阻害がPAH病態に保護的に作用することを見出した。③さらに、ヒト血清AHRアゴニスト活性が、PAH患者で上昇して予後規定因子となること見出した。一方、AHR阻害薬は固形癌に対してグローバルに第1相臨床試験が進行中である。 本開発研究では、開発代表者らは臨床試験を進める製薬会社から、最適化化合物とそのリード化合物の供与を受けて、重症PAHラットモデルに対して治療実験を行い、単剤および既存薬剤との併用によるPAH病態に対する有効性・安全性に関する検討を行う。さらに、ヒトPAH患者の血液検体を用いたAHRアゴニスト活性解析、およびAHRシグナルに関連する多層オミックス解析により、臨床試験において登録が望ましいAHR阻害の効果が期待されるPAH患者の層別化を可能とするコンパニオン診断の開発も平行して進める。 本研究により、これまで血管拡張薬のみであったPAH治療薬に全く新しい分子機序である抗炎症のPAH治療薬開発に繋がる。本研究開発で検討するAHR阻害薬は、予後不良となる重症PAH患者を層別化し得るAHR活性測定(コンパニオン診断)にサポートされて実施される個別化医療の治療法としても期待出来る。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;細胞;便 | |
生体試料の登録例数 | 300 | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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