項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症の起因となるウイルス感染細胞の特定 | |
研究代表者名 | 奥野友介 | |
研究代表者の所属機関名 | 名古屋市立大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 慢性活動性EBウイルス感染症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | なし | |
研究概要 | Epstein–Barrウイルス(EBV)は、通常はB細胞に感染して一過性の感染を来した後に潜伏感染に至るが、一部の患者では、多様な難病の発症に関与する。慢性活動性EBV感染症(CAEBV)は、EBVが本来の宿主とは異なるT細胞/NK細胞、またはその両方に持続的に感染する難病である。伝染性単核球症のような症状を繰り返し、最終的には多臓器不全やT/NK細胞リンパ増殖症を来して死亡する。本邦で年間約100人が発症するが、有効な治療法は造血細胞移植等に限られる。本疾患の病態には、(1)本来の宿主とは異なるT細胞/NK細胞にEBVが感染する理由、(2)一部の症例でT細胞とNK細胞の両方にリンパ増殖症を認める理由、を含めて不明点が多く、効果的な治療法開発の妨げとなっている。 本研究では、CAEBVの病態解明を進めるため、上記2点の解明を目的として行う。EBVのターミナルリピート数を解析した結果や、同一患者のEBV感染T細胞とEBV感染NK細胞の体細胞変異を解析した結果からは、CAEBVの発症において、EBVは末梢のT細胞やNK細胞に直接感染するのではなく、造血系の細胞に感染することが示唆される。造血細胞へのEBV感染は、上記(1)(2)の両方を説明しうる仮説であり、これを直接的に検証することを目指して研究を遂行する。 15~20例のCAEBV患者について、骨髄単核球のシングルセルRNAシークエンス解析を行う。潜伏感染状態のEBVはほとんどウイルス遺伝子を発現しないため、これを高感度に検出する解析系を構築する。iPS細胞を、造血幹細胞様~前駆細胞様の細胞を経てNK細胞に分化誘導する実験系を構築し、試験管内における造血細胞へのEBV感染のモデル実験系とする。造血細胞へのEBV感染を確認した後には、この仮説に基づいた動物モデルの構築を行う。患者骨髄、あるいは実験的にEBVを感染させた造血細胞を免疫不全マウスに移植し、EBV感染T/NK細胞の出現を観察する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
名古屋市立大学 奥野友介 yusukeo●med.nagoya-cu.ac.jp |
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