項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 新規発見ノド抗原に基づいたノド抗体陽性慢性炎症性脱髄性多発神経炎/中枢末梢連合脱髄症の診断基準・診療ガイドライン作成のためのエビデンスの創出とバイオバンク・レジストリ構築 | |
研究代表者名 | 吉良潤一 | |
研究代表者の所属機関名 | 国際医療福祉大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 慢性炎症性脱髄性多発神経炎 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
研究概要 | 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)は病因が様々であるため、各種免疫療法にはいずれも約40%程度無効例が存在し、大きな問題となっている。しかし、CIDPでは血液診断マーカーも治療反応性予測マーカーも確立していない。CIDPは中枢神経脱髄を合併することがあり、中枢末梢連合脱髄症(CCPD)と呼ばれている。私たちは、世界で初めてCCPDでランビエ絞輪部に局在するノド蛋白であるneurofascin155(NF155)に対する自己抗体が陽性となることを発見した。感度・特異度の高いNF155抗体測定法を開発(国際特許取得済)し、CIDPの約20%でIgG4 NF155 抗体が陽性であることを発見した。NF155抗体陽性CIDPは、著明な末梢神経根肥厚、髄液蛋白異常高値等の極めて特徴的な病像を呈し、免疫グロブリン静注療法は単独では無効で抗体陰性CIDPとは治療反応性が大きく異なる。CIDPではNF155以外にもノド蛋白抗原に対する自己抗体が見出されてきているが、ノド抗体陽性CIDPの全体的な臨床像は十分には解明されておらず、世界的に確立した診療ガイドラインはない。本邦のCIDP診療ガイドライン(2013)にはノド抗体陽性CIDPの記載は全くなく、CIDPにおいて特定の抗体の意義は確立されていないと記載されている。一方、既知のノド抗体が陰性であっても、ノド抗体陽性CIDPと同様な病像を呈する例も少なくなく、このような例では未知のノド抗体が存在する可能性が高い。そこで、本研究では、まず(1)既知のノド抗体は陰性だがノド抗体陽性CIDPと同様な病像を呈する症例の血清を用いて、未発見のノド抗体を探索し新規ノド抗原を同定することを目的とする。そのうえで、(2)新規ノド抗体も含めてノド抗体陽性CIDPの包括的な早期診断と適切な治療法選択を可能にする診療ガイドラインを作成するエビデンスを構築することを主要な目的とする。そのために、包括的なノド抗体血清診断システムを構築し、ノド抗体陽性CIDPの全国調査を実施し、前向きにノド抗体陽性CIDPのレジストリを立ちあげ、臨床経過、各種免疫療法への反応性、長期予後を明らかにする。さらに(3) 現在のCIDPバイオバンクを大幅に拡充させ、ノド抗体陽性CIDPの免疫学的特徴と免疫遺伝学的背景因子を明らかにし、将来の治療開発へつなげることを目的とする。 | |
レジストリ情報 | ||
難病プラットフォームとの連携の有無 | あり | |
対象疾患/指定難病告示番号 | 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/14 | |
目標症例数 | 100 例 | |
登録済み症例数 | 0 例 | |
研究実施期間 | 2023年1月~2024年3月 | |
レジストリ名 | 自己免疫性ノドパチーレジストリ | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;試料採取;バイオマーカーの探索 | |
レジストリ保有者のPMDA面談経験の有無 | なし | |
臨床情報の調査項目 |
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調査項目 | ||
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
国際医療福祉大学 吉良潤一 junkira●iuhw.ac.jp |
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