項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 多系統萎縮症の自然歴と新規バイオマーカー開発に関する研究 | |
研究代表者名 | 矢部一郎 | |
研究代表者の所属機関名 | 北海道大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 多系統萎縮症 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 【目的】多系統萎縮症(MSA)の自然歴調査を行い、症状、重症度分類の変化、病型による予後などを検討する。(調査結果は今後改訂される脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドラインの基礎資料となることが期待される) 【対象症例数】205例(2021年3月末現在) 【調査方法】北海道内在住のMSA患者を介した郵送調査、担当医の診察および患者の自己記入式調査票 【統計解析】収集されたデータのうち、連続変数にはt検定を行い、離散変数にはFisher正確検定を行って解析する。p<0.005を有意とする。統計解析はJMP® pro 14.0.0 (SAS Institute Inc., Cary, NC, USA)を用いて実施する。スコア変化はstandardized response mean (SRM)を用いて解析する。SRMは>0.8を大、0.5-0.8を中、<0.5を小として評価する。Kaplan-Meier曲線は患者死亡情報をもとに作成する。 【結果】2021年3月末までに累計272名より研究参加の意向あり、215名より文書で同意を得た。205名においてMSA診断基準への適合を確認し、122名でUnified MSA Rating Scale (UMSARS)等を評価した。レジストリ登録当初は58.2%が小脳失調優位型(MSA-C)であり、パーキンソン症状優位型(MSA-P)は29.9%であった。UMSARS-part Ⅳは53.8%が4-5点で歩行困難なADLの多い患者の多いことが示された。UMSARS-part Ⅳスコアが高いほどMSA-Pの割合が高いことも判明した。パーキンソン病治療薬のレボドパは37.5%で使用されており、その使用頻度は経時的に増加した。経過中にMSA-CからMSA-Pに病型が変化する事例がみられたが、その逆はみられなかった。登録後に54例の死亡が確認され、その半数は呼吸器関連死であった。MSAにたびたび見られる突然死も確認されており、UMSARS-part Ⅳ=1の比較的初期の段階でも起こりうることが判明した。本研究はアジアで初の大規模な前向きコホート研究であり、その疫学的傾向や薬剤使用状況など、これまで報告されてこなかった情報が多く含まれている。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 17 | |
目標症例数 | 500 例 | |
登録済み症例数 | 210 例 | |
研究実施期間 | 2014年11月~2024年3月 | |
レジストリ名 | HoRC-MSA | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;疫学研究;治験対照群としての活用;バイオマーカーの探索;登録患者への情報提供 | |
調査項目 | 患者背景、臨床情報など | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議ののち決定する | |
レジストリURL | http://neurology.med.hokudai.ac.jp/~neuro-w/horc-msa/ | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;髄液 | |
収集サンプル数 | 約100例 | |
生体試料の登録例数 | 約100例 | |
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | ||
全エキソーム解析済み症例数 | ||
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 運営委員会で協議ののち決定 | |
担当者連絡先 | ||
北海道大学神経内科 松島理明 mmasaaki●huhp.hokudai.ac.jp |
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