項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 新規遺伝性膵炎原因遺伝子TRPV6変異による膵炎発症機序の解明と治療応用 | |
研究代表者名 | 正宗淳 | |
研究代表者の所属機関名 | 東北大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 遺伝性膵炎 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 研究の目的: 遺伝性膵炎は本邦の指定難病である。原因遺伝子として、これまでカチオニックトリプシノーゲンをコードするPRSS1や膵分泌性トリプシンインヒビターをコードするSPINK1の変異によるトリプシン活性の持続、小胞体ストレス増加につながる膵酵素タンパク質のミスフォールディング誘発変異が膵炎を引き起こすことが明らかにされてきたが、新たな膵炎原因遺伝子異常としてカルシウムチャネルをコードするTRPV6遺伝子の変異が同定された。本邦を含めドイツ、フランスの若年発症慢性膵炎患者で見出された変異はチャネル機能の低下・喪失につながることが判明し、マウスホモログ遺伝子であるTrpv6ノックアウトマウスはセルレイン膵炎の重症化を来すことが明らかとなっている。本研究の目的はTRPV6遺伝子変異による膵炎発症メカニズムを解明し、治療薬開発のためのスクリーニングプラットフォームを確立することである。 研究方法: 膵特異的なTrpv6ノックアウトマウスの樹立のため、チャネル機能を担うカギとなるエクソン前後にloxP配列を挿入したTrpv6 floxマウスをゲノム編集で樹立する。Pdx-1-Creマウスとの交配によりコンディショナルノックアウトマウスを樹立するとともに、ヒト膵炎患者でみられた変異をノックインしたマウスも作成し、セルレイン投与による膵炎重症化の評価・組織像比較を行う。膵組織よりオルガノイドを樹立し、導管細胞マーカーの発現変動・フォルスコリンなどを用いた分泌刺激や各種チャネル阻害剤投与による機能変化の差を明らかにする。膵特異的に変異K-ras/p53を発現する膵癌モデルマウス、KPCマウスとTrpv6 floxマウス・Trpv6変異ノックインマウスを交配し、生じた膵癌組織からTrpv6欠損膵癌細胞株・Trpv6変異膵癌細胞株を樹立する。野生型KPCマウス膵癌細胞株との比較により各種薬剤への感受性の差を明らかにするとともに、Trpv6欠損・変異による細胞機能の変化を正常化しうる薬剤のスクリーニング基盤を確立する。 期待される成果: 本研究の実施により、新規膵炎原因遺伝子TRPV6による新たな膵炎発症メカニズムの解明が進むと予想される。チャネル機能異常による膵炎発症は遺伝性膵炎のみならず通常の膵炎においても病態に寄与する可能性があり、重症化予防や予後改善への寄与が期待される。Trpv6欠損・変異細胞株の樹立は薬剤スクリーニングに不可欠であり、治療薬探索への発展性を有する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA | |
収集サンプル数 | 20 | |
生体試料の登録例数 | 20 | |
DNA登録例数 | 20 | |
全ゲノム解析済み症例数 | 0 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 20 | |
外部バンクへの寄託 | なし | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | ||
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野、正宗淳、amasamune●med.tohoku.ac.jp |
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