項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 制御性単球の分化機構解明と炎症性腸疾患に対する治療応用 | |
研究代表者名 | 浅野謙一 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京薬科大学 生命科学部 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 炎症性腸疾患 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究 | |
研究概要 | 抗TNF抗体をはじめとする抗体医薬品の臨床応用は、炎症性腸疾患の治療成績を劇的に改善したが、有望な標的抗原の枯渇に伴い、新たな分子標的薬開発は隘路に陥っている。また生物学的製剤の多くは医療経済を圧迫しており、新たな治療介入法の開発が強く求められている。近年、腸炎増悪から寛解への転換の鍵を握る免疫細胞として、単球・マクロファージの役割に注目が集まっている。同細胞は、腸内細菌の侵入や組織傷害に応答して、急性炎症を惹起する(M1型)のみならず、炎症を収束し、破壊された組織の修復にも関与する(M2型)ことが明らかになりつつある。腸管免疫の不均衡回復には、炎症抑制型(M2)マクロファージの働きが特に重要と考えられるが、生体における動態や産生機構は明らかになっていなかった。 申請者は、M2マクロファージの産生機構を解明する過程で、腸炎の回復期に骨髄で増産され、傷害組織に浸潤する特殊な単球サブセット(Ly6C陽性Ym1陽性単球)を、世界で初めて同定した。Ym1陽性単球は、これまで知られていたM1型の単球(Ym1陰性単球)と異なり、抗炎症性サイトカインIL-10を高産生し、制御性T細胞の増殖を促進するなど、炎症抑制型の形質を示したことにちなみ「制御性単球」と命名した。M1/M2分類の提唱以来、生体におけるM2マクロファージの起源は解明できていなかったが、申請者の研究によりM2マクロファージのもととなる細胞が世界で初めて明らかになった。この発見により申請者は、制御性単球の組織修復機能を炎症性腸疾患治療に応用できるとの着想を得た。 本研究は、「生体のM2マクロファージはどのように生まれるのか」という免疫学における重要課題に挑戦する過程で得られた知見を、炎症性腸疾患への治療応用に繋げることを目指す研究である。具体的には、1)ヒト制御性単球を分子学的に定義し、2)分化誘導因子の探索を行う。さらに、それらの知見に基づく3)制御性単球の体外増殖法を開発することを目的とする。本研究により、制御性単球の増殖剤、あるいは、体外培養系で誘導した制御性単球を患者に投与する、というきわめてシンプルな発想に基づく治療法が完成すれば、既存薬とは異なる機序に基づく炎症性腸疾患治療オプションの提供が可能となる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
東京薬科大学 生命科学部 浅野謙一 asanok●toyaku.ac.jp |
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