項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 難治性心血管疾患におけるマルチオミックス解析による病態解明と精密医療 | |
研究代表者名 | 小室一成 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京大学医学部附属病院 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 難治性心血管疾患 | |
研究のフェーズ | ゲノム・オミックス解析研究 | |
研究概要 | 難治性心血管疾患の多くは遺伝性発症であり、ゲノム要因により心臓・血管の細胞に異常をきたす。その全貌を解明して精密医療を実現するためには、全国からの効率的な検体収集、既知遺伝子変異スクリーニング体制、新規変異同定のための全ゲノムシークエンス体制、メカニズム解明につながる組織オミックス解析、疾患モデルを用いた分子機序解析、得られたデータを集約したデータベース化、がシームレスに行われることで、成果を効率よくアウトプットして臨床現場に還元される仕組みを作る必要がある。そこで本研究は、上記の仕組みをオールジャパン体制で構築してうまく歯車を回し、以下4つの研究開発項目を達成する。 研究開発項目1. 難治性心血管疾患のゲノム要因の全貌解明 全国から難治性心血管疾患の検体を5つの解析拠点(心筋症(東大)・遺伝性不整脈(国循)・肺高血圧(理研)・先天性心疾患(慶應)・結合組織/大動脈症候群(東大))に集めて既知遺伝子スクリーニングを行い、原因変異を特定できない家系症例に対して全ゲノムシークエンス解析により構造多型やリピート変異を含めたゲノム要因の全貌解明を目指す。また難治性心血管疾患の層別化に資する遺伝的リスクスコアを開発する。 研究開発項目2. 組織オミックス解析による疾患発症分子カスケードの解明 全国から収集した難治性心血管疾患の心臓・血管検体を、シングルセルRNA-seq(東大)、spatial transcriptomics(東大)、イメージングMass(慶應)、全ゲノムシークエンス(東大)にて解析し、疾患発症分子カスケードを詳細に明らかにする。 研究開発項目3. 疾患モデルを用いた分子機序の解明 研究開発項目1で同定された新規原因変異をモデル動物に誘導して疾患モデルを作成し(成育医療)、シングルセルRNA-seq(東大)、spatial transcriptomics(東大)、組織透明化(東大)、クライオ電顕解析(神戸大)にて病態形成の分子機序を解明する。 研究開発項目4. ゲノム・オミックス情報を活かした精密医療の実現 上記により得られるgenotype情報、multi-omics情報、molecular pathogenesis情報に加えてphenotype情報も含めたデータベースを構築して公開し、今後の治療法・診断法開発のため基盤データとする。これを用いて機械学習により疾患層別化を行い、成果を臨床現場へ還元する。 以上を通じて、難治性心血管疾患の全貌を解明して精密医療を実現するとともに、本プロジェクトの成果を基に生まれる新たな臨床・基礎研究の開発を積極的に支援する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;組織;細胞 | |
収集サンプル数 | 300例の心臓組織・血液検体、およびそれに付随したゲノムDNA(ゲノムDNAについては1000例程度) | |
生体試料の登録例数 | 300例 | |
DNA登録例数 | 1000例 | |
全ゲノム解析済み症例数 | 250例程度 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 200例程度 | |
外部バンクへの寄託 | 該当なし | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 共同研究契約・倫理申請に基づいて、使用申請を受け入れ可能な検体が一部存在する。 | |
外部からの使用申請への対応 | 共同研究契約・倫理申請に基づいて、使用申請を受け入れ可能な検体が一部存在する。 | |
担当者連絡先 | ||
東京大学医学部附属病院、野村征太郎、senomura-cib●umin.ac.jp |
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