項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 遺伝性腎線維化症ネフロン癆の病態解明と新規治療法開発 | |
研究代表者名 | 蘇原映誠 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京医科歯科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | ネフロン癆、ジュベール症候群関連疾患 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | ネフロン癆は、ほぼ全例が末期腎不全となり透析を必要とする遺伝性腎疾患であり、特異的な治療法はない。小児末期腎不全の原因として最多の遺伝性腎疾患である上、成人末期腎不全患者の0.5%を占めていると報告され、その病態解明と治療法開発がより強く求められている。最近、我々は遺伝子診断された成人ネフロン癆患者のコホート研究にて、ネフロン癆患者の腎臓組織における「αSMA陽性筋線維芽細胞の異常な集積体」の存在を初めて発見し、ネフロン癆が「筋線維芽細胞の過剰な増殖と集積を起こす線維化症」であることが強く示唆された。ネフロン癆の病態形成の中心は尿細管上皮細胞から毛の様に生えている一次繊毛に局在し機能するネフロン癆原因遺伝子蛋白産物(NPHP蛋白)の欠損/異常による障害であり、ネフロン癆の原因は一次繊毛から線維化までをつなぐ全く新しいシグナルの異常と考えられる。しかし、ネフロン癆の中でも50%を占めるNPHP1異常/欠損によるネフロン癆の良好な疾患モデルが世界に今までなかったために研究が進んでこなかった。我々はCRISPRの新技術によりNPHP1完全欠損マウスを完成させ、患者由来/CRISPRによるNPHP1欠損iPS細胞も樹立中である。これらの世界にまだないNPHP1ネフロン癆疾患モデル(マウス、iPS細胞由来腎オルガノイド)に加えて、我々のネフロン癆患者レジストリの腎臓検体を活用し、一次繊毛に注目しつつ、ネフロン癆で腎線維化を促進するシグナルの同定を行う。一次繊毛から線維化につながるシグナルの解明はインパクトの強い研究となる。また、筋線維芽細胞の起源が腎尿細管上皮細胞であることを証明し、ネフロン癆が上皮間葉転換の過剰な亢進によって起きる線維化症であることを明らかにする。最終的には治療を目標とし、これらの研究が明らかにするネフロン癆で変容する線維化シグナルを標的として、治療法の検討を行う。加えて、NPHP1欠損患者がネフロン癆に多い事実を踏まえ、臨床応用可能なアデノ随伴ウイルスを用いたNPHP1蛋白補充遺伝子療法を開発していく。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
東京医科歯科大学、蘇原映誠、esohara.kid●tmd.ac.jp |
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