項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 成人発症スチル病(AOSD)に対する5-アミノレブリン酸塩酸塩/クエン酸第一鉄ナトリウム(5-ALA HCL/SFC)投与の医師主導治験 | |
研究代表者名 | 川上純 | |
研究代表者の所属機関名 | 長崎大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 成人発症スチル病 | |
研究のフェーズ | 臨床試験;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | 炎症性希少難病である成人発症スチル病(AOSD)は自己炎症性疾患に分類され、主症状は高熱、関節症状、皮疹であり、炎症を反映して赤血球沈降速度亢進、CRP高値、好中球優位の白血球増多が見られ、疾患活動性が高いと血清フェリチン値が著増する。治療は関節炎と全身症状の制御が中心で、約60%の患者は遷延化の経過を辿る。厚労研究班全国調査では10%以上に関節リウマチ様の骨破壊性変化を認め、マクロファージ活性化症候群や播種性血管内凝固症候群を併発した場合は重症化し生命の危険に及ぶ。第一選択薬の副腎皮質ステロイド薬のみでは制御は難しい。IL-6阻害薬トシリズマブが2019年から、既存治療で効果不十分なAOSDに対して保険適応されたが、保険適応がある薬剤は副腎皮質ステロイド薬とトシリズマブのみであり、経口薬においては副腎皮質ステロイド薬のみに限定される。長期にわたる生活面の支障として、1.関節破壊に伴うQOL、ADLの低下 2. 副腎皮質ステロイド薬長期 内服に伴う代謝性合併症 3.二次性アミロイドーシス が挙げられ、これらを改善するには、 副腎皮質ステロイド薬以外の有効な経口治療薬の開発が必須である。機能性表示食品として 広く用いられる5-ALA製剤であるが、既報と私たちのAOSDのモデル動物を用いた研究成果 より、炎症惹起状態においてはHO-1発現誘導を介して、自然免疫細胞群(マクロファージ・ 樹状細胞)のフェノタイプを炎症性のM1から制御性のM2に誘導して、炎症反応を制御する ことが明らかとなった。自然免疫細胞群の活性化が発症と増悪に深く関連するAOSDでは、 これら機能を制御性に転換する5-ALAは、その治療に非常に有用と思われる。T細胞、T細 胞亜分画、B細胞、形質芽球などの適応免疫細胞群への有意な作用は検出されず、易感染性 リスクは通常の免疫抑制療法よりかなり低いことが期待される。私たちが実施中の5-ALAの AOSDに対する特定臨床研究の経過も良く、副腎皮質ステロイド薬が減量できている。以上 より、今回、5-ALA製剤を用いたAOSDを対象とした医師主導治験を計画した。5-ALA製剤は 副腎皮質ステロイド薬に抵抗性AOSDのファーストライン薬としての位置付けが多いに期待 され、安価、経口薬、ステロイド長期内服に伴う代謝性合併症の軽減、易感染性が少ないな ども特徴的なメリットと考えられる。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | iMCD:331、AOSD:54、PM/DM:50 | |
目標症例数 | iMCD:600例、AOSD:30例、PM/DM:100例 例 | |
登録済み症例数 | 0 例 | |
研究実施期間 | iMCD:2020年4月~2023年3月、AOSD:2021年10月~2024年3月、PM/DM:2021年4月~2024年3月 | |
レジストリ名 | iMCD:キャッスルマン病、TAFRO症候群、類縁疾患の診療ガイドラインの策定や更なる改良に向けた国際的な総意形成を踏まえた調査研究【RADDAR-J[77]】 AOSD・PM/DM:自己免疫疾患における患者レジストリを包含した難病プラットフォーム体制の構築と、それを利活用した長期にわたる全国規模の多施設共同研究【RADDAR-J [60]】 | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;治験またはその他の介入研究へのリクルート;治験対照群としての活用;試料採取;バイオマーカーの探索;遺伝子解析研究 | |
調査項目 | 患者背景、診断名、家族歴、身体所見、検査所見、ゲノム情報ほか | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについて患者の同意を取得済み | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;組織;細胞 | |
収集サンプル数 | 血清40検体、末梢血液細胞15検体、ゲノムDNA 20検体 | |
生体試料の登録例数 | 血清40検体、末梢血液細胞15検体、ゲノムDNA 20検体 | |
DNA登録例数 | ゲノムDNA 20検体 | |
全ゲノム解析済み症例数 | 0 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 0 | |
外部バンクへの寄託 | なし | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 運営委員会で協議後、倫理委員会の承認を得て提供する。 | |
担当者連絡先 | ||
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