項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 肺動脈性肺高血圧症の重症化の鍵となる炎症関連転写因子を標的とした革新的治療法・診断法の開発 | |
研究代表者名 | 中岡良和 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立循環器病研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 肺動脈性肺高血圧症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究;非臨床試験 | |
研究概要 | 肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary Arterial Hypertension: PAH)は、肺動脈に原因不明の血管リモデリング(狭窄や閉塞)を来たして肺動脈圧の上昇から右心不全に至る可能性のある予後不良の厚生労働省指定難病である。PAH治療薬に抵抗性を示す患者は5年生存率が22%と極めて予後不良であるため(国立循環器病研究センターの大郷剛らのデータによる)、現在の肺血管拡張薬と異なる分子機序に基づく新しい治療薬の開発に対するunmet medical needsが存在する。PAHの遺伝性素因にはBMPRIIシグナル関連遺伝子が知られるが、疾患浸透率は20%と低いことから、PAH発症には遺伝性素因に加えて何らかの外的刺激要因、特に炎症や外来化学物質の曝露が重要と現在考えられている。 研究開発代表者らはこれまでに、①化学物質センサーの転写因子・芳香族炭化水素受容体(Aryl Hydrocarbon Receptor: AHR)の活性化は、ヒトPAH病態と同様の重症PAH病態の形成を誘導し、②AHRのノックアウトラットではPAH病態がほぼ完全に抑制され、AHRの阻害がPAH病態に保護的に作用することを見出した。③さらに、ヒト血清AHRアゴニスト活性が、PAH患者で上昇して予後規定因子となること見出した。以上の結果は論文投稿中で(Masaki et al, PNAS in revision)、特許出願した(特願2020-020930他)。一方、AHR阻害薬は固形癌に対してグローバルに第1相臨床試験が進行中である。そこで、本開発研究では、当該薬剤を開発中の製薬企業と協力してAHR阻害薬のリード化合物と最適化化合物によるPAH治療法開発とヒトPAH患者の血液検体を用いた患者重症度層別化のコンパニオン診断法の開発を行う。今回使用する化合物は、第1相臨床試験が進行中のため、PAHモデル動物での検討から速やかにヒトPAH患者を対象とした臨床試験へ進むことが期待できる。また、予後不良となる重症PAH患者を層別化し得るAHR活性測定(コンパニオン診断)にサポートされて実施される個別化医療の治療法としても期待出来る。弊センター(国立循環器病研究センター)はPAH患者の外来フォロー数は日本で最多であり、将来の企業との協業による臨床試験も、速やかに遂行可能である。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;便;唾液 | |
収集サンプル数 | 100 | |
生体試料の登録例数 | 100 | |
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | ||
全エキソーム解析済み症例数 | ||
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
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