項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | L-ドーパ受容体、GPR143を新たな視点とするパーキンソン病の病態解明 | |
研究代表者名 | 五嶋良郎 | |
研究代表者の所属機関名 | 公立大学法人横浜市立大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | パーキンソン病 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | L-ドーパはパーキンソン病(PD)の特効薬であり、その薬効は主にドパミン(DA)への酵素的変換を介して生ずる。我々は、L-ドーパそれ自体が神経伝達物質として作動するとの仮説を提起し、その検証を行ってきた。近年L-ドーパ受容体として同定したGPR143が、PD脳組織に見られるレビー小体に蓄積すること (Goshima et al.2018)、L-ドーパ自体が、GPR143を介してDA受容体シグナルを修飾すること、GPR143欠損マウスを背景とするPDモデルにおいてDA神経変性の程度が一定の影響を受ける事を発見する等(未発表)、PDにおけるGPR143の重要な役割を示唆する結果を得つつある。本研究開発計画は、(A) GPR143の役割を、その基盤となる神経回路の同定と機能解析を通じて明らかとし、(B)同分子のPDの病態における役割、位置づけを解析するものである。以下が具体的検討事項となる。(A) 1)GPR143がL-ドーパを認識し、その後、どのような細胞内情報伝達機構を介して細胞応答を惹起するかを明らかにする。またDA受容体と直接的な相互作用、機能的相関の有無を明らかにする。2)L-ドーパを最終産物として含むニューロンが存在するか否か、存在するとすればそれはどのようなフェノタイプの神経群か、DA神経が含むL-ドーパも神経伝達物質として機能するのかを明らかにし、L-ドーパを神経伝達物質として作動する神経系の局在と機能を明らかにする。3)光遺伝学および遺伝子改変ラットを作製・活用し、L-ドーパが選択的に遊離される光刺激条件、古典的条件づけ、オペラント行動を見出すとともに、それによって表出される行動との因果関係を明らかにする。(B)1)GPR143がPDの病態生理に関わるかどうかを数種のPDモデル動物を用いて明らかにする。また、GPR143が、PDの病態に関わるタンパク質分解系とどのように関わるかを解析する。2)GPR143に対するリガンドスクリーニング系を用い、L-ドーパ療法に伴う機序不明の副作用を軽減する薬物治療法開発のための基盤整備を行う。3) PETプローブの開発に向け、リガンド候補に化学修飾を行い、活性の保持と脳内移行性の有無を検証する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
横浜市立大学、五嶋 良郎、goshima●yokohama-cu.ac.jp |
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