項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患政策研究事業 | |
研究課題名 | 神経核内封入体病(NIID)の臨床疫学調査および疾患概念確立 | |
研究代表者名 | 曽根淳 | |
研究代表者の所属機関名 | 愛知医科大学 加齢医科学研究所 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 神経核内封入体病 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究;エビデンス創出研究;疫学研究;ゲノム・オミックス解析研究 | |
研究概要 | 神経核内封入体病 (Neuronal intranuclear inclusion disease : NIID)は、H&E染色標本においてエオジン好性に染色される核内封入体が、中枢神経系および末梢神経系の細胞、さらに一般臓器の細胞の核内に広く認められる神経変性疾患である。以前は、NIID例の発症年齢が幅広く報告されていたため、NIIDの臨床診断は困難とされてきたが、2011年、我々は皮膚生検がNIIDの生前診断に有効であることを報告し、その後、高次脳機能障害を認め、頭部MRI画像上で白質脳症を呈し、DWI (Diffusion weighted image) にて、大脳の皮髄境界が高信号を示すといった、特徴的な異常所見を呈するNIID症例が次々と報告された。我々はこれらのNIID症例を蓄積し、NIIDの臨床像を解析して2016年に報告した。さらにゲノム解析を行い、NIIDの原因遺伝子がNOTCH2NLC遺伝子のGGCリピート配列の延長であることを同定し、2019年に報告した。我々の研究グループでは、2011年以降、わずか9年の間に、既に約370例をNIIDと診断した実績があり、国内外問わず最大のコホートとなっている。2005年まで、文献上は世界中で30例ほどの報告のみであった事を考えると、今後爆発的にNIID診断例が増加する可能性がある。これらの研究成果をもとに、2019年より、難治性疾患政策研究事業である神経核内封入体病(NIID)の疾患概念確立および診断基準作成に関する研究(19FC1002)研究班において、NIID症例の臨床所見、頭部MRI DWI画像などの検査所見、皮膚生検さらに遺伝子検査結果を検討し、NIIDの診断基準案および重症度分類案を作成した。現在、日本神経学会の承認を受けるため、審議を受けている。学会承認を受けた暁には、承認後のNIID診断基準を用いて、わが国でのNIID患者数の把握、自然歴の検討を行い、さらには小児例の検討、鑑別困難例の検討を行うことで、NIIDの疾患概念を確立し、我が国におけるNIIDの現状を把握する。これら収集した情報を元に、全国の医療提供者およびNIID患者に対して、ホームページあるいは学会発表、論文発表を通じて、NIIDの現状について情報を提供する。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 神経核内封入体病 | |
目標症例数 | 600 例 | |
登録済み症例数 | 274 例 | |
研究実施期間 | 2021年4月~2023年3月 | |
レジストリ名 | JaNIIDS | |
レジストリの目的 | 自然歴調査;患者数や患者分布の把握;疫学研究;試料採取;登録患者への情報提供;主治医への情報提供 | |
調査項目 | 患者背景、診断名、家族歴、臨床情報、病理学的検査結果、ゲノム情報 | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
レジストリの企業利用について | 企業が利用することについては、患者の同意を取得していない | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | https://janiids.org/index.html | |
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;組織;細胞 | |
収集サンプル数 | 274 | |
生体試料の登録例数 | 274 | |
DNA登録例数 | ||
全ゲノム解析済み症例数 | 16 | |
全エキソーム解析済み症例数 | 11 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
担当者連絡先 | ||
愛知医科大学 加齢医科学研究所 JaNIIDS事務局 曽根 淳、杉浦 咲 Tel: 0561-62-3311 Fax: 0561-63-3531 E-mail: janiids●aichi-med-u.ac.jp |
※メールアドレスが掲載されている場合は、「●」を「@」に置き換えてください。