項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | リパスジルを用いた未熟児網膜症に対する新規点眼薬の開発 | |
研究代表者名 | 有馬充 | |
研究代表者の所属機関名 | 九州大学病院 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 未熟児網膜症 | |
研究のフェーズ | 臨床試験 | |
研究概要 | 未熟児網膜症(ROP)は代表的小児失明原因疾患であり、本邦で年間約5000人がROPを発症し、そのうち約1000人が治療を受ける。ROPは治療時期を逃すと永続的な視力障害を生涯残してしまう重篤な疾患であるが、既存治療を行っても視力予後は不良であり、視覚支援学級児童の原因疾患のうち19%をも占める。 ROP病態の根幹は虚血に引き続く網膜異常血管の形成である。既存治療として光凝固術及び抗VEGF治療が行われるが、以下の問題点がある。 まずは侵襲性の高さである。両治療法ともに疼痛を伴い、早産児は身体的ストレスに弱いため医原性呼吸循環不全を起こす例がある。また、光凝固術は虚血網膜を焼却する治療だが、凝固斑の瘢痕化により屈折異常や網膜形態異常が誘発されるため視力予後は不良である。一方、抗VEGF治療は血管形成に必須の分子であるVEGFに対する分子標的治療だが、異常血管のみならず正常網膜血管網の発達をも阻害するため、異常血管は退縮するものの網膜虚血は残存するため抗VEGF治療単独では再発率が約40%と高い。以上のような問題点から、既存治療は一定の病期まで進行したROP(重症ROP)に対してのみ適応となる。 我々は興和(株)と共同研究を行い、リパスジル(グラナテック®点眼液0.4%、成人緑内障に対する点眼治療薬として承認)がROP進行抑制効果及び治療効果を有することを明らかにし、知財化を行った。本研究ではリパスジル点眼の安全性・有効性を評価するための医師主導治験を行う。点眼の最大のメリットは侵襲性が低いことであり、特別な技術を要さず眼科医でなくとも施行可能であることである。また低侵襲であるため早期治療介入が可能であり、ROPが重症化する前に治癒へ導くことが期待できるため、患児の視力予後向上にも貢献できると思われる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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