項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 慢性心筋炎の診断基準策定のための実態調査 | |
研究代表者名 | 今中恭子 | |
研究代表者の所属機関名 | 三重大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 慢性心筋炎 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 心筋炎は剖検例10万例中115令と稀な疾患であり、一般にウイルス感染に起因する自己免疫反応によると理解されが、免疫制御機構の破綻あるいはウイルスの持続感染により慢性心筋炎となり、さらに拡張型心筋症に移行する症例がある。日本循環器学会による「急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン(2009年改訂版)」では慢性心筋炎を、急性心筋炎として発症し炎症が持続する遷延性慢性心筋炎と、気づかないうちに急性心筋炎から移行し進行性の重症心不全をきたす不顕性慢性心筋炎の2つに分ける。不顕性慢性心筋炎は、拡張型心筋症の中から剖検や心筋生検によって偶発的に診断された症例報告が散見される。一方、補助循環デバイスの進歩によって劇症型心筋炎の急性期救命率が改善するに伴い、遷延性慢性心筋炎に移行する例も増えていると予想される。正確な実態は把握されていないが、いずれの慢性心筋炎も、心筋細胞の遺伝子異常などによっておこる他の拡張型心筋症とは異なり、診断できれば、ステロイドや免疫抑制剤によって病変の進行を抑制し、人工心臓や心臓移植を必要とする重症心不全への移行を予防することが期待できる。 現在、慢性心筋炎の唯一の診断法は心筋生検組織診断であるが、通常の組織染色のみでは診断は困難であり、現在の診断・治療ガイドラインは十分対応できてない。ヨーロッパ心臓病学会は2013年に複数の免疫染色を組み合わせた組織診断基準を提唱し、ウイルスの持続感染を除外した上で免疫抑制療法を推奨しているが、ヨーロッパでは組織傷害に伴う二次性炎症反応も含んだ広い意味での炎症性心筋症の概念しかなく、我々の検討では、ヨーロッパ基準に従うと日本の拡張型心筋症の約50%が免疫抑制剤治療対象の炎症ありと診断されてしまい、実臨床に則しない。さらにウイルス感染の有無は、治療法選択の判断に重要な因子であるが、日本では、最近のウイルスなど病原体検出法の進歩に対応した指針が示されていないこともあって、実態は正確に把握されていない。そこで、心筋生検に基づいたオールジャパン体制のレジストリを構築し、免疫染色法の標準化を行ない組織診断基準を策定して診断精度を向上させ、分子マーカー発現に基づいた慢性心筋炎の組織診断基準、ウイルス検索、有用な血中バイオマーカーなどガイドライン改定のためエビデンスを創出し、日本循環器学会に提言を行う。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
1 | 検査内容/対象疾患名(あるいは領域名)/指定難病告示番号 | 心筋生検 |
検査方法 | 病理学的検査 | |
検査実施場所 | その他 | |
保険収載の有無 | ||
検査実施費用の確保方法 | 研究費(AMED) | |
検体検査結果の利用内容 | 診断 | |
検体検査の品質・精度管理 | 研究として実施 | |
検査または検査結果に関する相談の受け入れ可否 | ||
相談方法 | ||
担当者連絡先 | ||
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