項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 特発性心筋症の診療に直結するエビデンス創出のためのAIを活用した自動病理診断システムの開発〜希少・分類不能心筋症の自動抽出システムの開発〜 | |
研究代表者名 | 尾上健児 | |
研究代表者の所属機関名 | 公立大学法人 奈良県立医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 特発性心筋症のうち希少心筋症・分類不能心筋症 | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究;横断的基盤構築研究 | |
研究概要 | 特発性心筋症は拘束型・肥大型・拡張型・不整脈原性右室心筋症の4つの基本病態に分類され、このうち拘束型心筋症は希少難病に該当する。鑑別すべき二次性心筋症にも、ミトコンドリア病・サルコイドーシスなど希少難病が含まれ、原因不明で効果的治療方法が未確立である。いずれも対症的な薬物療法が行われるが、早期に正確な診断がなされ治療を開始することが患者予後を大きく左右する。 心筋症診断には、心エコーやMRIなど画像診断が重要だが、解像度に限界があり、特に希少心筋症では心臓病理検査を施行して初めて診断に至る場合も多い。しかし専門家が少なく積極的な心臓病理診断施行施設は限定されている。また特に症例数が少ない希少心筋症では熟練した専門家でも判断に迷うケースが存在する。さらに心筋症診療ガイドラインには従来の分類で区別できない分類不能心筋症の存在が記されており、未診断疾患群も存在すると考えられる。 以上の問題点を解決するために、AIによる情報技術(教師あり学習)を活用して心臓病理診断を標準化し、専門家同様の診断が可能となるような診断補助システムを構築して、希少心筋症を効率よく抽出し適切な診断に至る医療体制作りに貢献したい。また、病理組織像をAIの教師無し学習による解析で新たに分類し、従来分類不能とされていた部分に新たな疾患群を提唱することをも目的としたい。(教師無し学習による98例の心筋組織を用いた予備検討では、いくつかのサブグループに分類される実感を得ている)。 研究が順調に進めば、終了時には心筋病理診断システムを標準化できるとともに、異常の検出により希少心筋症を効果的に抽出し、医療の最適化に資するものと期待される。また病理組織解析結果を臨床歴やゲノム情報とリンクさせ、組織像から予後や重症度予測が可能となれば臨床的にも心筋病理診断の重要性が増す結果となる。“曖昧”だった分類不能心筋症がAIによる病理組織診断により分類可能なものとなれば、未診断心筋症も含め新たな疾患群を提唱することができる。さらにこれらの結果、心筋生検施行施設が増加すれば、臨床的エビデンスが蓄積され、最終的に診療ガイドラインの改訂に繋がり、より正確な最適化された心筋症診療に資するものになると期待される。 なお本研究は厚生労働省難病政策研究事業の一つである「特発性心筋症に関する調査研究」との密接な連携のもとに実施する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;組織 | |
収集サンプル数 | 300 | |
外部バンクへの寄託 | なし | |
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 申請内容により可 | |
外部からの使用申請への対応 | 研究内容を申請いただいた上で、評価委員会での審査を経て、倫理審査通過後に使用可能とする。 | |
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
公立大学法人 奈良県立医科大学 循環器内科 尾上健児 konoue●naramed-u.ac.jp |
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