項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | SJS/TEN眼後遺症の予後改善に向けた戦略的研究 | |
研究代表者名 | 外園千恵 | |
研究代表者の所属機関名 | 京都府立医科大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | Stevens-Johnson症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症(TEN) | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究 | |
研究概要 | Stevens-Johnson症候群(SJS)、その重症型である中毒性表皮壊死融解症(TEN)は、突然の高熱に続いて全身の皮膚・粘膜にびらんと水疱を生ずる急性の重篤な全身性疾患である。致死率が高いが、救命のための治療は国際的にも未だ確立していない。救命しても高度の視力障害とドライアイが後遺症となり、社会復帰が困難となるが、眼後遺症を予防する治療法も不明である。申請者は厚生労働省の難病研究班の一員として、SJS/TEN診療ガイドライン作成に関与(2005年)、急性期の眼局所ベタメタゾン使用例では視力障害が少ないことを見出した(Ophthalmology, 2009)。また全国調査を実施し、年齢が若いほど眼粘膜障害が重篤化しやすいことを見出した(Am J Ophthalmology, 2015)。しかし急性期の臨床所見、全身および眼局所の治療法と眼後遺症との関連は十分に解明されていない。本研究では急性期所見、治療法と眼後遺症の関連を調査し、過去の調査結果と合わせて解析する。 これまでの研究により、SJS/TENは慢性期に約3割の症例で眼粘膜障害が緩徐に進行、悪化することが明らかとなった。症例数を増やして臨床所見と進行の関係を検討する。また申請者らは慢性期SJS/TENの涙液で特異的に増減するサイトカインを見出した(BJO Open,2017)。本研究では急性期の眼科的重症度、眼後遺症(慢性期)の進行および悪化に関して、涙液および血清中のタンパクないしサイトカインがどのように関係するかを検討する。 慢性期SJS/TENの視力障害を克服できる治療法は国際的にも確立されていない。京都府立医科大学は世界に先駆けてSJS/TENに対する新規治療を開発し、多数例の慢性期患者を対象に培養自家粘膜上皮シート移植を行ってきた。またSJS/TENの新医療機器として輪部支持型コンタクトレンズを開発(Am J Ophthalmol, 2014)、医師主導治験を実施して薬事承認を得た。培養自家粘膜上皮シート移植は、臨床研究中核拠点である京都大学シーズCとして医師主導治験を平成30-31年度に実施した。これらの方法を単独または組み合わせて本疾患の後遺症による重症視覚障害を克服することが可能になる。 本研究は、1)急性期治療と眼後遺症に関する調査、2)SJS/TEN眼後遺症の重症度および進行に関する調査、を実施し、治療と予後の関連を明らかにする。患者検体のプロテオミクス解析を行って、3)バイオマーカーを用いた眼後遺症進行予防策を検討する。4)新規治療の標準化を進め、5)眼粘膜障害の診療ガイドラインを作成する。長期的には後遺症克服のための治療法を確立することを目的とする。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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